2024年3月8日 8 min read

オンチェーンで取引できる手数料先物が考案。将来的に手数料リスクはヘッジするものになる?

ビットコイン自体の供給量が需要に応じて増減しない(弾力性がない)ことは広く認知されていますが、ビットコインのブロックスペース、すなわちトランザクション処理能力もまた需要の変化に対応することができません。これは以前の記事「ブロックスペースを資源として考えてみると…」でも考察したトピックです。

ブロックスペースを資源として考えてみると…
最近、こんなツイートを見かけて、とてもいい整理の仕方かもしれないという気づきがありました。https://twitter.com/Mario_Gibney/status/1526361206885388288 「ビットコインの将来的なセキュリティを考える上で、ビットコインネットワークが生産するコモディティは2種類あるということを認識する必要がある。半減期を重ねて2100万枚まで発行されるBTCというアセットと、約10分毎に4MWU (1M vbyte)生産されるブロックスペースだ。※」 BTCの価値にばかり目が行きがちですが、手数料の話にはブロックスペースの価値が密接に関係してきます。トランザクション手数料はブロックスペースの対価として支払うものだからです。したがって、長期的なビットコインの持続可能性を論ずる際はその両方の価値が別々であることを念頭に置く必要があります。 ※…ビットコインのブロックサイズは1MBブロックなどと言われますが、2017年のSegwit導入時にトランザクションサイズの計算方法が複雑化し“4MWU” (WU = weight units)ブロックとなりまし

その記事内で私は「ブロックスペース(手数料)先物」が存在すればビットコイン送金手数料のボラティリティ問題を長期的に解決することができるかもしれない、と想像し、例えばあらかじめライトニングチャネルを開設しておくが「誰と開設したのか」を後出しで必要になってから決定するようなメカニズムがあればいいな、としました。

それとは全然仕組みが異なるものではありますが、先日、送金手数料率先物というアイデアがまさに発明されたようです。

ビットコイン開発についてディスカッションが行われるプラットフォームの1つであるDelving Bitcoinに、Smart Contracts Unchainedなど数々の発明でおなじみの匿名開発者・ZmnSCPxj氏が投稿したこのアイデアについて今日は解説します。

An Onchain Implementation Of Mining Feerate Futures
Subject: An Onchain Implementation Of Mining Feerate Futures Introduction Future onchain fees to be paid to miners cannot, in general, be predicted, as unpredictable novel uses of the blockchain may increase use of block space, and unpredictable novel innovations on block space use reduction may decrease use of block space. This uncertainty makes onchain use unpalatable, and even non-custodial offchain uses like the Lightning Network incur risk of onchain enforcement, and the uncertain onchain…

・ブロックスペース/送金手数料に関する金融商品の存在意義とは

・マイナーからみた送金手数料率先物の使い方

・ZmnSCPxj氏が提案する送金手数料率先物の仕組み

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