ビットコイン自体の供給量が需要に応じて増減しない(弾力性がない)ことは広く認知されていますが、ビットコインのブロックスペース、すなわちトランザクション処理能力もまた需要の変化に対応することができません。これは以前の記事「ブロックスペースを資源として考えてみると…」でも考察したトピックです。
その記事内で私は「ブロックスペース(手数料)先物」が存在すればビットコイン送金手数料のボラティリティ問題を長期的に解決することができるかもしれない、と想像し、例えばあらかじめライトニングチャネルを開設しておくが「誰と開設したのか」を後出しで必要になってから決定するようなメカニズムがあればいいな、としました。
それとは全然仕組みが異なるものではありますが、先日、送金手数料率先物というアイデアがまさに発明されたようです。
ビットコイン開発についてディスカッションが行われるプラットフォームの1つであるDelving Bitcoinに、Smart Contracts Unchainedなど数々の発明でおなじみの匿名開発者・ZmnSCPxj氏が投稿したこのアイデアについて今日は解説します。
・ブロックスペース/送金手数料に関する金融商品の存在意義とは
・マイナーからみた送金手数料率先物の使い方
・ZmnSCPxj氏が提案する送金手数料率先物の仕組み