2020年10月18日 3 min read

tBTC zkSync TorchからみるzkRollup

tBTC zkSync TorchからみるzkRollup
Photo by moeed rehman / Unsplash

最近、タイムラインに「tBTC zkSync Torch」なるムーブメントを見かけることがあります。これはライトニングネットワークがメインネットで使えるようになった初期にHodlnautが開始した、ライトニングを使って資金を1万サトシずつ追加してリレーのように送っていった「Lightning Torch (LN Trust Chain)」という運動をもじったものです。(Lightning Torchは渡す相手にトラストが必要だったため、途中で盗まれたりもしましたが、最終的に0.41BTCにまで成長して寄付されました)本稿のタイトルからしてわけがわからない方も多いと思うので、今日はこれを少し細かく見ていきます。

TBTC…ZKSYNC…TORCH??

まずはこの3語をそれぞれ確認しましょう。tBTCとは、最近の記事でも軽く触れましたが、「ビットコインのブロックチェーンを使ってトラストレスに発行・償還できるイーサリアム上のビットコイントークン」という趣旨のトークンです。秘密分散や担保などを使って誰でもトラストレスに発行・償還ができるようにすることを目標にしているようです。(5月に問題を発見し、修正中は使用不可でしたが、9月に再開しました。)

zkSyncとは、ZK Rollupを利用したイーサリアムのレイヤー2の代表例です。これについては、次の項目でもう少し深く解説します。

Torchに関しては、導入でも触れた通り、「Lightning Torch (LN Trust Chain)」をもじったムーブメントの名前で、トーチ(聖火=tBTC)を受け取った人が、少し資金を追加して次の人に渡すリレーのことです。LN Trust Chainはhodlnautでしたが、tBTC zkSync TorchはEric Wallが始めたようです。

Eric Wallはマキシマリストではなく、ビットコインもイーサリアムも応援したり批判したりする、(そのとき押し込まれている側の味方をすることが好きな)比較的バイアスが弱い人物です。
ZKROLLUP

zkRollupとは、これも以前に軽く触れましたが、ブロックチェーン外(サイドチェーン)でトランザクションを集約し、最新状態とゼロ知識証明をブロックチェーンに書き込むことによって検証コストを抑えるイーサリアムのスケーリング方法です。要するに、個別のトランザクションより少ないリソースで多くのトランザクションを検証できる方法ですね。(※データ量に関しては後述)

現在は送金のような簡単なトランザクションにのみ対応しており、スマートコントラクトの実行などはできませんが、もしイーサリアムが送金のみに使われて、送金すべてがzkRollupを活用すれば、イーサリアムのトランザクション処理数を数十倍にはできる程度の効率化です。

概念図
イーサリアム・ブロックチェーン (zkSync内アカウントの変化と証明を記録)

zkRollup (トランザクションの集約、記録、証明の作成)

ユーザー (トランザクションをzkRollup事業者に送信。オンチェーンで証明の検証ができる)

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