先週はカストディアルなライトニングウォレットに対する逆風もあり、LSPに頼るがノンカストディアルなウォレットが勢力を伸ばしている話を書いたところですが、今週まさに後者の代表例であるBreezが「Open-LSP Model」というサードパーティLSPとの収益シェアリング計画を公表しました。
また、本稿の執筆中にもc=というSpiral (Square Crypto)と関連の深いLSPが表舞台に出てくるなど、ウォレットの裏側でユーザーにサービスを提供するLSP業界の発展が見込めそうです。
Breezはなぜ、どのようなモデルで第三者LSPを取り込むことにしたのでしょうか、そしてその取り組みは成功するのでしょうか。
ノード管理の大変さは技術だけの問題ではない
ビットコイン研究所で何度も触れているように、大規模なルーティングノードの運用はけっこう大変です。ましてやライトニングウォレットを運営するLSPという立場もあると、可用性や速度面、コスト面の要求は単なるルーティングノードより高くなる上に、気まぐれなユーザーが何ヶ月もオフライン状態を継続した後に急に大きな送金を受け取りたいような場面もあります。これらはすべて技術的な問題で、開発や維持にコストはかかりますが各社とも解決を図っています。
一方で、技術的ではない問題の1つにユーザーが最初にビットコインを入金しないタイプのライトニングウォレットにおいては、最初にLSP側がチャネルに入れるビットコインを用意する必要性があります。
Breezの場合、発表記事の中でOpen-LSP Modelの動機としてやはり資金力の限界が挙げられています。