一家に一台ライトニングノードがある状況を仮定しましょう。家族でライトニングノードを共有したいが、お互いのトランザクションを知ったり、お互いの残高を勝手に送金されたくない。そのようなときに、1台のノードで複数のアカウントを実現する方法は既にいくつかあります。最近、それをLnd自体に搭載されるFaradayという機能群に追加しようという動きに気づきました。本日はこれがLndHubなどライトニングノードを複数人で共有するための既存のソリューションとどう違うのかを見ていきます。
FARADAYとは
最大手のライトニングノード実装であるLndを事業者向けに使いやすくするための追加機能群で、現在はチャネルのマネジメント(パフォーマンス管理)やアカウンティング機能(指定した期間の履歴出力機能) を提供しています。Lndと同じく、Lightning Labsが開発しており、利用にはLndに加えて別途インストールする必要があります。簡単に言うならば、Lnd用の拡張パックですね。1機能単位ではなく、機能群全体がひとまとめになって提供されています。ここに、同じノードで複数のアカウントを使用できる機能が追加されようとしています。おそらくカストディアルウォレット機能のあるLappを意識していると思われます。
ライトニングノードを共有する
冒頭でも触れましたが、いくら簡単に立ち上げられるようになってもビットコインやライトニングのノードが1人1台あるシナリオは考えにくく、家族や村の人、事業者のユーザーなどが共有するケースが多いと思います。その際にアカウント機能が必要になり、カストディアルウォレットなどはそのシステムを独自に実装したり、いくつかある規格を利用しています。
ビットコインの世界ではカストディアルなサービスは批判されがちですが、特にライトニングにおいてカストディアルなサービスが与えられるポジティブな影響は過小評価されていると思います。
日本では基本的に交換業ライセンスがないと手が出せない領域ですし、規制による攻撃リスクもとても大きい業態ではありますが…。