ライトニングネットワーク用語でPrivate Channelという用語を見たことがありますか?本コラムでも数回は使用していますが、きちんと説明したことはなかったように思います。「結局Private Channelってなんなの?」そんなあなたのために、今日はPrivate Channelについてわかりやすく解説します。
BitMEX Researchは年初の時点でPrivate ChannelがLNの総チャネル数に占める割合を28%、残高に占める割合を12%と推定しています。
用語の整理:"Public" vs "Private"
Private Channelとは、通常のチャネルであるPublic Channel (Routing Channel)と対になる名称です。ということで、まずはRouting Channelを詳しく見ていき、Private Channelはそれとどう異なるか比較してみましょう。
Routing Channelはライトニングネットワーク上の送金経路となりうるチャネルのことです。Routing Nodeと呼ばれる中継手数料を得ることが目的のノードが運用しており、送金経路として選んでもらうためにLN上の他のノードにRouting Channelの存在を告知して、いつでも送金経路として選べるよう常にオンラインでいる必要があります。また、中継が失敗しないように、チャネルの残高を送金可能額・受金可能額にある程度バランスよく配分しておく必要があります。このため、Routing Nodeの運用はカジュアルユーザー向けではなく、どちらかというとマニアや事業者向けになっていくと考えられています。
Routing Node = 送金を中継することがある、常時オンラインのノード
Routing Channel = 送金の中継に使ってもらう目的でRouting Nodeがネットワークに存在を告知するチャネル
一方でPrivate Channelとは、送金の中継を目的としないエンドユーザーが特定のノードとの間に結ぶチャネルで、ネットワーク全体には告知されないもののことを言います。Private Channelを結んだ相手のノードは多くの場合ウォレット事業者などのRouting Nodeですが、エンドユーザーとのPrivate Channelをたくさん持つRouting NodeをGateway Nodeと言ったりします。
Private Channelしか持たず、他のノードによって送金経路として使うことができないノードをNon-routing Nodeといいます。これらのノードは存在自体がネットワークには告知されません。(Routing Hintというものを使って送受金ができます。)
Non-routing Node = Private Channelのみを持つ、送金を中継しない、ネットワークの終端のノード
Private Channel = 他者の送金の中継を目的としないため、ネットワークには存在が告知されないチャネル
Gateway Node = Non-routing NodeとのPrivate Channelを多数もつRouting Node (Private Channelで繋がるエンドユーザーの送金を中継するノード)
これを踏まえ、ライトニングネットワークを図で示すとこうなります:
Non-routing Node 多数 <<<エンドユーザー
~Private Channel(s)~ <<<関係者にしか見えない
Gateway Node (Routing Node) <<<主に事業者
~Routing Channel(s)~ <<<誰にでも見える
Routing Node(s) <<<主に事業者
~Routing Channel(s)~ <<<誰にでも見える
Gateway Node (Routing Node) <<<主に事業者
~Private Channel(s)~ <<<関係者にしか見えない
Non-routing Node 多数 <<<エンドユーザー
どういうメリットがあるのか
さて、用語を整理したところで、Private Channelの存在にはどういうメリットがあるのか見ていきましょう。