昨日、ライトニング関連の開発を行っているSynonymというチームが「史上初のテザー・ステーブルコインによるライトニングチャネル上のトランザクション」と題する動画を公開しました。
皆さんおなじみのテザーは最も有名なステーブルコインで、これをライトニングネットワークを使用して送ることができるようになるかもしれない、という話です。
先週も書きましたが、ユーザーの残高をドルにペッグするライトニングウォレットの開発に報奨金が出ているので、それを狙ったものかもしれません。
今回はビットコイン上で他の通貨を発行するプロトコルOmniと、Omniで発行した資産をLNのようなペイメントチャネルネットワークで送受信するための仕様郡OmniBOLTについて見ていきます。
https://www.youtube.com/watch?v=MfaqYeyake8
OMNIの概要
Omniはビットコインブロックチェーン上にOP_RETURNメッセージを刻むことで新しいデジタル資産や通貨を発行・取引するためのレイヤー2プロトコルであり、2013年にMastercoinとして公開されました。
Omni上での取引にはビットコイン上でトランザクションを発行する必要がある点や、ネイティブ通貨(Omni Token)が存在することなど、Counterpartyと類似点が多いです。ただしCounterpartyと違い、アセットの発行にネイティブ通貨が不要なので、ネイティブ通貨が必要な機能を使わないことがより簡単にできます。(ネイティブ通貨はごみなので、基本的に誰も持ちたくありません。)
USDTは数多くのブロックチェーン上で発行されていますが、最初はOmni (ビットコイン)で発行されていました。今ではTron、Ethereumに大きく差をつけられていますが、それでもSolanaに次いで4番目に多くのUSDTが存在します。
https://tether(.)to/en/transparency
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OMNIBOLT
さて、Omniクライアントはビットコインブロックチェーンを監視し、Omniプロトコルで理解できるOP_RETURNメッセージを読み取って通貨の発行や取引を解読していきます。しかしこれは同時に、ビットコイン上で通常よりも大きなデータサイズのトランザクションを発行しなければ送金できないということも意味します。
このため手数料が高くなりやすいことが2017年以降にテザー社がOmniからEthereumやTronなどへとUSDT発行の主戦場を移していった動機の1つです。