今からちょうど1年ほど前、BRC-20の登場によってビットコインのトランザクション手数料は久しぶりに高騰して物議を醸していました。メインネットの手数料水準も過去と比べて安くはありませんが、最近話題になっているのはテストネットの手数料水準の高騰です。
ビットコインにはPoWを採用するパブリックなテストネット(Testnet)のほか、中央集権的なテストネットとしてSignet、ローカル環境で実行できるRegtestなどいくつかのテスト用ネットワークとブロックチェーンが存在します。その中でも一番古いTestnetはブロックの生成間隔が不安定だったり、大規模なReorgが発生したり、コインの入手が難しいなど使い勝手が悪いという問題を抱えており、他の選択肢がある現在はそれほど人気のあるネットワークではありません。
ところが人気のブロックチェーンエクスプローラーであるMempool.spaceでTestnetを覗いてみると、なんと現在150ブロック分以上もトランザクションがメモリプールに存在しているではありませんか!中身を覗いてみるとInscriptionのようなサイズの大きいトランザクションもありますが、数百satsを1つのアドレスに送金するだけの細かいトランザクションも数多いです。
Mempool.spaceでのブロックの可視化については最近の記事をご覧ください。
ネタばらしをすると、このブロックの中身は大量の「Runes」と呼ばれるトークンプロトコルに関連する小さなトランザクションと、Motoswapと呼ばれるAMM(自動マーケットメイカー)を利用するInscriptionがいくつか記録されています。
今日はこれらの技術について触れ、いずれMainnet上で利用されるようになり物議を醸すことになる際に議論の内容を理解できるように予習しましょう。
・RunesはBRC20を効率化したようなトークンプロトコル
・AMM(自動マーケットメイカー)は手数料の高騰を引き起こしやすい
・半減期後、オンチェーン手数料が一層高騰する時代になるかもしれない