米国のパイプラインがサイバー攻撃により停止した件は記憶に新しいとおもいます。このとき、コロニアル社は、身代金として、75BTCを払いました。
さて、注目すべきは、司法省の発表では、ビットコインのウォレットを差し押さえたということです。詳しくかかれていないのでどのように特定、回収できたのかわかりませんが、カリフォルニアの判事の話では「ウォレットは北カリフォルニアにあった」ということなので、米国内での受取があったのでしょう。
正確な金額をいうと、支払われた75BTCのうち、ウォレットには69.6BTCが残っており、そのうち62.5BTCの回収に成功したとのこと。ウォレットは75BTCの受け取り後、5.4BTCを外部に送金しており、この送金はおそらく「最初のハッキングを担当したよりダークサイド」側のハッカーに支払われたものだと推定しています。どうやらサイバー犯罪も実行犯と受け子みたいに、多重構造になっていて、お互いに身元を伏せたままやりとりしているようですね。
さて、回収のしかたは発表されていませんので、わかりませんが、ビットコインの差し押さえ事例が徐々に増えていることは注目すべきです。取引所などのウォレットで受け取ったものであれば、おそらくそのまま差し押さえ可能でしょうし、事業者が米国内であればなおさらです。個人のウォレットであっても、かなり慎重にやらないと、アドレス以外の情報などから身元が特定されて、現場に踏み込まれてしまうと考えてよいでしょう。