2025年1月10日 8 min read

2025年の予想と昨年の答え合わせ

2024年最後の記事では一年間を通して印象的だった出来事を振り返りました。

2024年の振り返り
早いものでもう2024年も末となりました。今年も恒例の振り返り記事を書こうと思います。 今年はビットコインが4回目の半減期を迎え、アメリカではマイクロストラテジーがおびただしい量のビットコインを購入していたり、トランプ次期大統領の当選にも深く関わった可能性があるなど、どんどんスケールの大きな話になってきました。それと同時に、「通貨」としてのナラティブが「資産」というナラティブの影に隠れてしまい、今後その認識の違いが規制面などでビットコインの本質的なアダプションにとって困難を招いてしまうおそれも少し感じてしまうほどとなっています。 そんな1年を通して印象的だった5つのテーマを振り返ります。なお、2024年初の予想の答え合わせは来年最初の記事で行います。 ・「ビットコインL2」ブームが爆発 ・ライトニングより手軽なレイヤー2の模索が進む ・Bitcoin Tokyo 2024カンファレンスが開催 ・アメリカの存在感がさらに増大

今日は毎年恒例となっている予想記事です。昨年の答え合わせとともにお届けします。

昨年の答え合わせ

去年の予想記事はこちらです。

2024年の予想と昨年の答え合わせ
2023年最後の記事では1年間の中で最も印象的だった変化を振り返りました。 2023年はビットコイン開発への関心が高まった1年だった今年も1年を振り返る時期になってまいりました。私は久しぶりの海外旅行やカンファレンス登壇などで充実させた一年でした。皆さんの2023年はどうでしたか? 先週、読者様から以下のようなリクエストが寄せられていました。 Bitcoin Optech Newsletterの2023年まとめ(https://bitcoinops.org/ja/newsletters/2023/12/20 )を読みましたが、ソフトフォーク提案が様々あり、どのOPコードがメインで議論されているかなど、開発の方向性がよく理解出てきていません。 今年の開発の総括や、来年以降の展望などこちらでもおまとめいただけると大変ありがたいです。 ちょうど年の瀬で振り返りに最適な時期でもあるので、今日は今年のビットコイン開発をまとめ、そのうちいくつかのトピックについて来年の予想をしていこうと思います。他にもご質問やご要望などあれば歓迎致しますので、どしどし教えていただければ幸いです! ・たくさんの新型

なんと衝撃的なことにどれも的中しています!見ていきましょう:

手数料率は1000sat/vbyteの過去最高値を一時突破する→◎

今年、ビットコインのトランザクション手数料は新たな境地に一時到達しました。

特に半減期直後にRunesというBRC-20のようなトークンプロトコル早いもの勝ち方式でメインネットローンチしたときに記録的なトランザクション手数料を記録しました。(Runes自体はその後は下火で、直近のトランザクション手数料は2-5 sat/vbyteとここ数年で一番落ち着いています。)

ブロック報酬は3.125BTCへと半減したのに、手数料込みだと脅威の29.821BTCをマークするブロックも

ただ、予想では手数料の高騰が長引いていわゆる「フィルタリング」論争などが一弾と加熱するとしていましたが、高い手数料は案外持続せず、一年全体で見るとそれなりに手数料率が落ち着いていることが多かったように思います。

コベナンツ関連のソフトフォークに対してRough Consensusは年内には得られない→◎

これに関しては現状維持を予想することが確率が高いので、堅すぎて面白くない予想だったなと反省しています。OP_CAT、OP_CTVなどのコベナンツ関連のソフトフォークに関しては現時点ではコンセンサスが得られてはいません。

「シットコインテクノロジー」であるTaproot Assetsなどにも脚光が当たる→△

ワイルドカード:ビットコインに鞍替えするプロジェクトが増え、よくわからないプロダクトが急増する→◎

シットコインテクノロジーとしては、一昨年末にメインネットローンチしたTaproot Assetsはそれほど注目を集められておらず、むしろBTCのリステーキングによって「ポイント」(将来的には草コイン)を稼げるというBabylonが巨大なエコシステムの中心となり、年末には6万BTC近くもがBabylonに預けられているという状況になりました。

💡
預けていると表現しましたが、現時点ではステーキング機能などは何もなく、ただ単にBTCをタイムロックしているだけで、ノンカストディアルといえる形です。

違いはといえば結局BabylonにステーキングしたBTCを元にLST(Liquid Staking Token)をEVMチェーンで発行し、それを更にDefiで運用したり違うチェーンに持っていったりできることが、空前のエアドロップブーム(ポイ活ブーム)と重なってネタの枯渇に困っていたアルトコイン界隈に刺さったようです。その点は確かに、グローバルステートがなかったり、EVMではないTaproot Assetsには真似しづらい部分です。(予想時に課題と述べた部分を乗り越えられなかった形)

EVMエコシステムをビットコインに接続する試み(通称「ビットコインL2業界」)の急拡大やBabylon周辺のリステーキングの大流行は後者の予想的中と言わせてください。(そっち方面にもっとアンテナ張ってる人からすれば当たり前の予想だったかもしれませんが)

初夏に練木照子さんがツイッターに投稿した動画で、大学受験時代からの友人がタイで「ビットコインL2」エコシステムのカンファレンスに登壇しているのを見つけたときはびっくりしました。

ビットコイン価格は最高値を更新し、年末までに10万ドルに到達する→◎

意味がない予想と言いつつ、かなり精度が高かったです。

個人的には毎年いい予想をしているつもりですが、こんなにことごとく予想が当たった年は初めてかもしれません。固く狙いすぎたでしょうか。笑

今年の予想はもう少し攻めてみることにします。

今年の予想

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