最近日本でもLightningのノードを立てて、Lightningのルーティングをすることで、利益をあげる挑戦をしている人たちが増えてきているようです。Spotlightを運営する小川さんを中心に、他にもやり方やテクをSpotlightで公開している人たちもいます。
https://spotlight.soy/detail?article_id=3gt0psvnq
さて、Lightningのルーティング市場は自分も以前より個人的に興味があったのですが、しばらくそこまでちゃんと調べたり思考することはできていませんでした。ただSpotlightの記事を見てルーティング市場の研究でかなり取り残されているという一種の焦りもあり、キャッチアップできるように自分でも最近実は色々ノードを運用する実験やリサーチをしています。
そこで色々ガチャガチャやってLightningのルーティング市場で気づいたことや、今後起こりそうなことをコメントします。
1. 知らないうちに高いルーティング手数料を取られている可能性がある
Lightningのイメージは手数料が安い、というイメージが強いですが、どのルートを通るか次第で、実はかなり高い手数料を取られている場合があります。
オンチェーンTxの場合は送金する金額ではなく、トランザクションのサイズにより手数料が増減します。つまり大きな金額を送れば送るほど、それに対する手数料は割合的には小さくなっていくので、オンチェーンTxは比較的大きな金額を動かすのに適しています。
一方、Lightningの場合は金額に対して手数料の割合(例えば0.1%など)を設定するので、送る金額が大きければ手数料もどんどん大きくなっていくので、10万円以上などの比較的大きな金額を送る場合は、オンチェーンTxと手数料が逆転する場合もあるかもしれません。
また、このLNの手数料はどのノードを経由して支払いが発生するかで大きく変わります。一部の取引所や個人運営のノードなどは手数料ほぼ無料でルーティングをしてくれる一方、カストディアルウォレットとして利用者も多いBluewalletの場合、実は0.5%くらいと結構大きな手数料をとっている場合もあります。
0.5%というと大したことないように聞こえますが、例えばBluewalletから10万円を他のLNウォレットに送ろうとすると500円ルーティング手数料がかかることになりますね。これを高いと感じるか安いと感じるかは人それぞれですが、Lightningだから手数料は無視してOKで、ほぼ手数料はかかっていないというのは実は案外間違っており、すでにウォレットやLappsなどここの手数料で地味に高い手数料を設定して売上を上げようとしているプロジェクトも出てきています。
今はこれはまだ問題として表面化していませんが、だんだんここら辺の指摘も増えてきて、リテラシーも上がってくると思います。
2. LIGHTNINGウォレットとルーティング手数料戦略
上記の一部のノードによる高い手数料設定とも関連して、Lightningウォレットのビジネス戦略も少しづつ浮かび上がってきています。