2020年9月10日 3 min read

「ビットコイン上のDefi」はどこまで作れるのか

「ビットコイン上のDefi」はどこまで作れるのか
Photo by Traxer / Unsplash

こんばんは。Yield Farmingブームの影響で相変わらず業界はDefiの話題で持ち切りですが、これらはほとんどがイーサリアム上の話です。実際、ビットコイン上でDefiを構築しよう、という話には文化的な抵抗以外にも、技術的な限界があると認識している方も多いのではないでしょうか。

今日はビットコイン上のスクリプトや、現在利用可能な形で存在する仕組みを使って、「ビットコインのDefi」としてどれくらいのものが実現可能なのか、最近どういうものが利用されているのか見ていきます。

今日はビットコイン自体がDefiだ、ライトニングもDefiだ、というような話ではなく、一般的に”Defi”として認識されるようなものに限って考えます。
ビットコインスクリプト

ビットコインのブロックチェーン上でスマートコントラクトのようなものを実現するには、ビットコインスクリプトと呼ばれる言語でコントラクトの内容を記述します。安全性重視のため機能が限られており、実際に利用されているのは公開鍵やハッシュ値の比較がメインとなります。

また、スマートコントラクト自体も、マルチシグ(送金に一定数の鍵が必要)やタイムロック(送金に一定時間の経過が必要)が主です。ライトニングチャネルのように利害が対立する主体によるものであれば”Defi”と呼べるかもしれませんが、利害が一致する主体が単にマルチシグやタイムロックを使っただけではDefiとは言えないでしょう。

最近、ビットコインリサーチャーのJeremy Rubinが「Capitulation Contract(投げ売りコントラクト)」というスマートコントラクトを発表しました手数料を払えば途中解約できる定期預金のようなこのコントラクトの概要は以下です:

1.二者間のコントラクトである
2.「定期預金する側」は、一定額のビットコインを自分だけではW週間取り出せないマルチシグアドレスに預ける代わりに、その期間の終わりにSサトシの利息を加えた分を引き出すことができる
3.「定期預金を預かる側」は、利息として支払う可能性のあるSサトシをマルチシグアドレスに預ける代わりに、もし定期預金した側が満期を待たずに途中解約したい場合(値動きに怖気づいて売りたくなったなど)、途中解約に応じる代わりに手数料を貰い受けることができる

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