2022年10月21日 3 min read

Forwardable Peerswaps

Forwardable Peerswaps
Photo by Bekir Dönmez / Unsplash

10月9日、ライトニングチャネルを閉じずにリバランスするPeerswapプロトコルをより便利に拡張しようと匿名開発者のZmnSCPxjからLightning-devメーリングリストに提案がありました。今日はその内容について解説します。

[Lightning-dev] Forwardable Peerswaps: Improving Network Health Via Pressure Release Valve

Peerswapについて

Peerswapについて詳しくは過去記事を参照してください。

アトミックスワップでチャネルバランスを調整するPeerSwap
先月エルサルバドルで開かれていたAdopting Bitcoin 2021というカンファレンスはライトニング関連のテーマが中心となり、その中でPeerSwapというコンセプトが発表されました。PeerSwapはアトミックスワップを使ってライトニングチャネルのリバランスを行うプロトコルです。 直接チャネルがつながっているノード間でP2Pで動作し、他のリバランス方法より安価に偏ってしまったチャネルバランスを調整できるとするPeerSwapはシンプルで画期的かもしれないと感じました。今日はそんなPeerSwapを紹介します。 既存のリバランス方法 ライトニングネットワークにとって、それを構成…

短くまとめると、一方に偏ってしまったライトニングチャネルの残高を自分への送金によってリバランスする代わりに、チャネル内で残高が余っている方のチャネル内残高とその相手のオンチェーンの資金とをアトミックスワップで交換してリバランスと同様の効果を実現するシンプルなプロトコルです。ローカルバランスがほしい、リモートバランスがほしいの両方の場合に対応できます。

ライトニングの送金手数料は金額に比例するため、金額が大きいチャネルのりバランスをライトニング上で行うのはコストが高くなりがちです。そこで、チャネルを持つ相手が応じるならばPeerswapを使ってオンチェーンの安い手数料でリバランスを行うことができます。

Peerswapの欠点

従来のPeerswapにも欠点があります。チャネルを共有する相手としかできないこと、ローカルバランスがほしい方のオンチェーン資金に余裕があること、そしてオンチェーンのトランザクションがHTLCの作成時とHTLCの決済時の2回発生することです。

そこで、Forwardable Peerswapsは直接チャネルを共有していないノードとでもPeerswapを実行できるように従来のPeerswapを拡張する提案です。

Forwardable Peerswapsの仕組み

Forwardable Peerswapsの機能はインセンティブ設計に要点があります。まずは大まかな流れを見ていくためにOnchain-to-offchain Peerswap (オンチェーン資金を使ってローカルバランス=LNチャネル残高を買う)を考えます。

Great! You’ve successfully signed up.
Welcome back! You've successfully signed in.
You've successfully subscribed to ビットコイン研究所.
Your link has expired.
Success! Check your email for magic link to sign-in.
Success! Your billing info has been updated.
Your billing was not updated.