2021年5月15日 3 min read

OFAC規制遵守マイニングのコスト

米国企業Marathon Digital Holdingsが運営するMara Poolというビットコインマイニングプールが、今月初旬に「OFAC規制遵守のブロック」を採掘したとして話題になりました。ビットコインに関して、「クリーンな電力で採掘されたビットコインしか買いたくない」など、仕組み上無理がある要望がなされることがありますが、マイニングプールが特定のトランザクションをあえて検閲することは必ずしも無理ではありません。今日はそれにどれくらいのコストがかかるのか、実際に行われているのかを見ていきましょう。

OFAC規制とは

OFACとは米国の財務省外国資産管理室のことで、この米国政府機関は主に安全保障・外交上の理由で個人・団体の銀行口座を凍結したり、取引を停止するよう金融機関に指示します。この対象となる個人などが記述されているリストをSDNリストと言います。1500ページ以上あります。SDNリストにはビットコインなどの仮想通貨アドレスが現在おそらく100件ほどあります。(ビットコインアドレスは65件) したがって、これらに関わる送金を処理しないことがOFAC規制遵守ということになります。ところで、国単位の経済制裁と比較して、OFAC規制は比較的小規模な規制だとわかるでしょう。これらのアドレスが関わるブロック自体が珍しいと思いますが、もしコンプライアンスをシノギにしようとするマイニングプールの立場であれば、他の規制への対応も進めていくでしょう。これにはブロックチェーン解析業者などに頼る必要が出てきますが、精度が低い割にコストがかかってしまうと考えられます。(コストについては後述)

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