2023年12月15日 4 min read

Bitcoinホワイトペーパーをブロックチェーンから抽出する

Bitcoinホワイトペーパーをブロックチェーンから抽出する
Photo by Raquel Baires / Unsplash

先週はLuke Dash Jr氏が運営する新興マイニングプールがOrdinals Inscriptionsを検閲していることが話題になっていましたが、今週も引き続きLuke Dash Jr氏がビットコインをデータ置き場に使うユースケースに対する反発を行動に移しており、Bitcoin Coreのトランザクションリレーポリシー (ノードが隣のノードから受け取ったトランザクションを他のノードに転送する際の条件) のうちトランザクションに関係ないデータ量を判定するコードがInscriptionsのデータサイズを見落としているのはバグだと指摘し、修正案を提出するなどしています。

先週の記事↓

マイニングプールによる検閲の影響力をおさらいする
ここ最近マイニングプールによる検閲が熱いトピックとなっています。9-10月にかけて業界3番手のマイニングプールであるF2PoolがOFAC規制に基づき制裁対象となっているアドレスからのトランザクションを意図的に含めていなかったことをリサーチャーの0xB10C氏が検知し公表しました。 Bitcoin’s Anti-Censorship Ethos Surfaces After Mining Pool F2Pool Acknowledges ’Filter’After a blockchain sleuth reported that the Bitcoin mining pool may have censored a transaction from an address blacklisted by U.S. authorities, critics responded, and so did the project’s co-founder.CoinDeskBradley Keoun 0xB10C氏はminingpool.observerという検閲検知ソフトを公開しています。

この「バグFIX」に関してツイッター上の日本語Ordinalsファン界隈 (そんなものがあるようです) で誤解が広まりつつあったので、この機会にSpotlightに説明記事を投稿させていただきましたので、ぜひそちらもご覧ください。

「バグ修正」でOrdinalsが使えなくなることはない
最近のビットコイン界隈ではOrdinals (特に大量のトランザクションを引き起こすBRC-20ミン

さて、ビットコイン上に通貨と無関係なデータを記録したのはOrdinals Inscriptionsが初めてではありません。ジェネシスブロックにはかの有名な"The Times 03/Jan/2009 Chancellor on brink of second bailout for banks."という文章が埋め込まれ、10年前には1つのトランザクションでビットコインのホワイトペーパーのPDFが埋め込まれているケースもありました。

今日は忘年会で披露する豆知識として使える、ビットコイントランザクションにいかにホワイトペーパーが埋め込まれたか、そしてどのように復元できるかを見ていきましょう。

・データの様々な埋め込み方とInscriptionsの元祖

・マルチシグを使って埋め込まれたPDFの読み取り方

・おまけ:ジェネシスブロックの文章はどう埋め込まれている?

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