2020年3月26日 4 min read

LN関連ビジネスは持続可能か

ライトニングネットワークの利用増加を促すには、UIの改善などもさることながら、LNを使用して行えることの幅が広がる必要があると思います。今週もLN MarketsというCFD取引プラットフォームが登場するなど、ライトニングアプリやライトニングに関連したサービスは徐々に増えてきていますが、これらの事業にビジネスとしての勝算はあるのでしょうか?今回の記事ではLN関連サービスをいくつかの種類に分けて見ていきます。

取引所

冒頭で紹介したとおり、LNを使って登録と入出金ができるCFDプラットフォーム、LN Marketsというものが登場しました。現時点ではα版で、ビットコイン価格のCFD取引ができます。(※ご利用は自己責任で)

LN Marketsのサイトによると、手数料は20bpsスプレッド(≒往復で0.2%)、ポジション維持手数料 (当初は0%/日)、最大ポジションサイズは1,000,000satsとのことです。

となると、1人のアクティブユーザーあたり1日1往復100,000satsの取引をしたとして、LN Marketsの収入はわずか200sats、もしこの業者が顧客の注文を呑まずにヘッジしているとしたら、そこからヘッジ費用やサーバー代、人権費などを出す必要があります。

ビジネスとして成り立つのか?
→LNにフォーカスして少額の取引からスプレッドをいただくビジネスモデルでは動く金額が小さすぎるので、数万人のアクティブユーザーがいたとしても大した収入にならず、既存の大手取引所やFX業者に勝るサービスを提供することが難しそうです。
世界中から特に他国の株式指数などの金融商品のCFDが誰にでも取引できること自体には一定のニーズがあると思いますが、入出金をLNに限定することが取引高の足かせになり、不利です。(CFD取引プラットフォーム自体はBitMEX規模も狙えるビジネスかと思います)
また、オフラインでのチャネル作成など、既存の取引所へのLN導入は簡単になっていく方向に進んでいるので、そちらでもLN経由での入出金は可能になり、より有利な環境で取引できるでしょう。(前述の「金額が小さい」という理由で、ほとんどの取引所でLN導入は優先度が低いかもしれませんが)

余談ですが、"Strike"というアメリカの銀行口座またはデビットカードを使ってライトニング支払いができる開発中のサービスがありますが、これはアドプション的にもビジネス的にもポテンシャルが高そうです。
LIGHTNING SERVICE PROVIDER

Lightning Service Providerとはライトニングチャネルの管理代行や、インバウンドキャパシティの提供などを行う事業者の総称です。有名どころではBitrefillやLNBig、Breezなどがあります。

利益の源泉は手数料ですが、手数料そのものがあまり高くない上に、使用頻度の低いチャネルに資金が拘束される点など資本効率に難があります。

ビジネスとして成り立つのか?
前にも研究所内で触れられていた気がしますが、これら単体では資本効率があまり良くない上、参入障壁も低いのでいいビジネスになるかは疑問ですが、当面は存在し続けるでしょう(特にインバウンドキャパシティの提供)。

LIGHTNING WALLET

ライトニングウォレットの開発も立派な事業ですが、ビジネスとしての将来性は未知数です。

現時点では、VCやビットコイン系の企業からの出資によって開発しているチームやオープンソース開発者がそれぞれライトニングクライアントを作っているような状態ですが、現段階ではまだビジネスとしてどこで収益化するかはっきり決まっていません。

Great! You’ve successfully signed up.
Welcome back! You've successfully signed in.
You've successfully subscribed to ビットコイン研究所.
Your link has expired.
Success! Check your email for magic link to sign-in.
Success! Your billing info has been updated.
Your billing was not updated.