ここ最近のコラムではビットコインも利用するTorネットワークについて紹介してきました。
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【2022/5/11】ビットコインも利用するTorとは
そんなTorが実は6月9日頃よりDDoS攻撃を受け続けており、6月22日現在、半分ダウンしたような状態にあります。
現在、Umbrelの台頭もあり多くのビットコインノードがTorを利用しています。そのため、ライトニング決済が行えなくなる等の影響が懸念されます。
今回はそんな現在進行形で起きているTorへの攻撃について共有させて頂きます。
攻撃の状況
Torネットワークの状況は下記にてステータスが公開されています。https://status.torproject.org/
確認してみると、v3 Onion Serviceというのが”Disrupted”ステータスになっています。Torのメイン機能であるアクセス元秘匿化サービスが正常に動いていないよ、ということのようです。
実際、Torに依存しているUmbrelで遊んでいる人は、ここ最近、他のノードがオフラインに見えたり、送信が失敗してしまう事が多かったりといった体感があるかと思います。
いやあ、この状況は改めて考えると驚きです。
ビットコインブロックチェーン、ライトニングネットワークはP2P型だからネットワーク全体がダウンすることなんてないよ、なんて当たり前の特徴として言われていますが、そこに挑戦しているようにも思えてきます。
幸い、すべてのビットコインノードがTorを利用しているわけではないため、本格的にブロックチェーンが止まるなんてことにはならないです。
ですが、ライトニングネットワークに関しては結構影響あるんじゃないか、なんて思っています。
というのも、
- Umbrelといったシェアの高い実装がTorを利用している
- 現状のライトニングの経路選択ロジックはあまり柔軟ではない
- ライトニングのプロトコル自体がTorと同様Onion Routingを導入している
といった点があるからです。
業界の有名人fiatjafもLNのonion messageは大丈夫?なんて懸念ツイートしてたりします。
https://twitter.com/fiatjaf/status/1538900982414852097
さて、こんな状況にあるわけですが、そもそも、今回の攻撃はどんな種類のもので誰がどんな目的で行っているのでしょうか。