ライトニングウォレットにとって大きな課題の1つに「ユーザーにオンチェーンとライトニングの違いを意識させないこと」があります。普及が進むライトニングですが、未だ多くの場合ビットコイン支払いはオンチェーンで要求されます。ユーザーを混乱させないUXの開発を各社こぞって試みていますが、特にトラストレスな仕組みにこだわる場合はライトニングチャネルの開閉にオンチェーントランザクションが必要という原理的な垣根は大きいです。
著名な匿名ライトニング開発者であるZmnSCPxj氏が年初にメーリングリストに投稿していたSwap-in Potentiamというコンセプトは、まさにウォレットにとって難題であり続けるオンチェーンとライトニングの融合を推し進めるものです。
モバイル環境でLSP利用が事実上必須なことを活用
モバイル環境のライトニングウォレットは常時起動していることが難しいため、特定のLSPを利用することが事実上必須になっています。一般的にLSPにはウォレット自体を提供するBreez、Muunなどが利用され、ユーザーが自身で好きなノードに対してチャネルを開設できないためウォレットを正常に利用できることはある程度これらの事業者に依存しています。
これを逆手に取ってオンチェーンのアドレスもLSPとの共同管理にしてしまえば安全にゼロ承認取引できるのではないか、というのがSwap-in Potentiamの出発点です。