今月初旬、人気のカストディ型ライトニングウォレットであるWallet Of Satoshiが公式アカウントにて米国市場への復帰予定をアナウンスしました。約半年前からセルフカストディ版の動作モードを実装していることを匂わせていましたが、今回の発表では具体的にLightspark社の開発したレイヤー2であるSparkを利用することを明示したことが話題になっています。

Lightsparkが発明した新しいレイヤー2:Spark
ノンカストディアルなライトニングをエンドユーザー向けにスケールさせることの難しさはウォレット事業者が一番痛感しています。これが最近の記事でも取り上げた「Nodeless Lightning(Liquid Networkを使わせるライトニングウォレットのバックエンド実装)」のようなアイデアにつながっています。 セルフカストディ型のライトニングウォレットのスケーラビリティを補完できる技術は出てくるのかライトニングでセルフカストディをしようと思うと、最低でも自分でチャネルを保有する必要があり、よりトラストレス性を高めようと思えば自分のノードを立てることになります。したがって、世の中にあるセルフカストディ型のライトニングウォレットはこのいずれかの形をとっています。 しかし、この使い方にはコストがつきものです。例えばチャネルの開設には今のオンチェーン手数料が低迷している環境でも数十円、場合によっては数千円以上になることも考えられます。ライトニングノードの維持も無料ではありません。(趣味で維持している場合は無料のように考えてしまいますが) ライトニングはカストディ型で普及する、という今では主流の

この発表が一部の間で論争を巻き起こしました。新しい動作モードについてWallet Of Satoshiのツイートでは「セルフカストディ」、Sparkの公式アカウントは「完全にセルフカストディ」と表現していますが、Sparkの仕様にある程度詳しいビットコイン開発者などはこの形容に問題を感じています。

批判の先陣を切ったのはSpiralのBlueMatt氏。厳密にはSparkのオペレーター全員が共謀したら資金を没収できてしまう仕組みのものをセルフカストディと呼ぶのはどうなのか?という指摘を、補足のツイートでカストディ型と比べると大きな改善ではあるしカストディ型とは言えないと注釈しつつ述べていました。

他のビットコイナーの間でも意見が割れたこの表現問題ですが、私はこれからSparkに似たセキュリティモデルのウォレットが増えてくると予想しています。今日はその理由と、最適な表現を考えてみます。

・Wallet Of Satoshiが解決したいのは規制の壁

・Sparkはある程度のトラストを必要とするソリューション

・セキュリティの前提をより正確に表現する新しい言葉が必要かもしれない