2020年8月13日 3 min read

RGBに期待する理由

RGBに期待する理由
Photo by Erik Mclean / Unsplash

こんにちは、Defiの熱狂や"ETH Supplygate"などが連日話題になる中、自分は多くの時間をRGBのことを調べたり考えたりして過ごしていました。

数週間前にRGBを紹介したとき、どちらかというと仕組み寄りの紹介だったので読みにくく、あまり響かなかったかもしれませんが、ブロックチェーン業界をひっくり返しうる斬新で面白いコンセプトだと思うので、今回は自分がRGBになぜ期待しているかを、ビットコインとイーサリアムを参照しながらなるべく分かりやすく解説したいと思います。

復習になりますが、RGBはビットコインやライトニングなどの上のレイヤーで、スマートコントラクト(によるトークン発行など)を実現するプロトコル群です。
ブロックチェーンの短所

そもそも、ブロックチェーンがなんのために存在するかというと、トランザクションに変更し難い時系列を作り出し、二重支払いを防止するため、という説明がされることが多いと思います。つまり「参加者全員が合意する時系列にデータを結びつけることができる」のがブロックチェーンの長所です。

一方、ブロックチェーンがデータの処理や保管に関して非常に非効率なことは皆様もご存知かと思います。なぜなら、全てのノードが常時全てのデータを受け取り、検証し、場合によっては過去全てのデータを保管しているからです。ノードの数だけ検証が行われ、データが保管されるなら、その対価としてコストがかかってしまうことは自明です。

したがって、イーサリアムのようにオンチェーンでスマートコントラクトの状態データを保管しているとスケーラビリティの問題を引き起こし、ユースケースはより高い手数料でもリターンが得られるものに限られてきます。
この影響はビットコインでも同様ですね。

当たり前のようなことですが、イーサリアムでは特にスマートコントラクトがオンチェーンなことがスケーラビリティの問題に繋がり、ネットワーク全体に負担がかかる理由になっています。

スマートコントラクトをオンチェーンでスケールさせたいイーサリアムは、最近もガスリミット(1ブロックあたりの処理数、ビットコインでいうブロックサイズ)を拡張するなどしていますが、マイニングの中央集権化ユーザー自身がノードを建てることの難しさにつながることなど、オンチェーンスケーリングには物理的な限界があります。
そのあたりにイーサリアンの大多数はあまり関心がないようですが、これらはビットコイナーには受け入れられないトレードオフなので、ビットコインがこの路線を選ぶことはないでしょう。

"ETH Supplygate"も、本質的にはイーサリアンが自身のノードを建てて検証せずに他者をトラストしていることをビットコイナーが皮肉る話です。
ブロックチェーンからの解放

ブロックチェーンの制約から解放されるのがレイヤー2です。
例えばライトニングでは、ブロックチェーン外での取引の情報は当事者たちのみが管理して、最終的な結果を記帳することができます。各当事者間のデバイスのスペックなどの制約こそあれど、そこにネットワーク全体でのスケーリングの上限はありませんし、多数の人にデータを検証・保管してもらう必要もないのでコストも安くなります。単純なペイメントチャネルでピンポン送金を繰り返すだけならチャネルの残高の制限内でなら無限に行えます。

ブロックチェーンのように全てのノードが検証するのと違い、当事者たちのみが必要なだけのデータを検証することを「Client Side Validation」といい、RGBにおいても中心的な役割を果たしています。

RGBを使えば、RGBを使って発行されたトークンの移転やスマートコントラクトの状態遷移をライトニングチャネルに結びつけることで、ブロックチェーンにトランザクションを発行することなく二重支払いを防止しつつ、そのスマートコントラクトの参加者間で取引をすることができます。

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