今月、AppleがアプリストアからNostrクライアントのDamusやノンカストディアルライトニングウォレットのZeusを排除すると開発者に通達しました。
Damusに関しては投稿に対する投げ銭機能"Zap"がAppleが定めるアプリストア規約のコンテンツ販売の決済手段制限(アプリストア経由の決済に限る)に抵触した模様で、結果的にDamusは投稿単位のZap機能を消去し、ユーザーのプロフィールからのZap機能のみを残す形でアップデートの許可を得たようです。
一方Zeusに関してはノンカストディアルウォレットであるにも関わらず取引所としての営業許可を証明することが求められているようで、担当者の誤解か理解不足が原因と見られます。(根拠とされている規約内にノンカストディアルウォレットは問題ないという条項があるそうです。)
このようにiPhoneはAndroidスマホと比較してアプリストア以外からアプリを導入することが難しいため、Appleによる公開却下の問題は以前から広く指摘されています。1つの迂回策としてPWA (Progressive Web App)という、ブラウザで動作するがホーム画面に追加できるアプリケーションを利用する例が出てきています。例えばDamusと同じくNostrクライアントアプリのSnortやIrisはPWAとして提供されています。
今日はPWAがライトニングウォレットの未来像なのかを考えたいと思います。
最近までAppleの端末はPWAの対応に消極的だったようですが、最低限の対応はされている模様です。(それでもSafariよりChromeやBraveが良さそうです)
PWAの制約
まず、改めてPWAの定義をMozillaから引用します:
プログレッシブウェブアプリ (Progressive web apps, PWA) は、新しいウェブ API と伝統的なプログレッシブな拡張戦略を使用して、クロスプラットフォームのウェブアプリケーションにネイティブアプリと同様の使い勝手をもたらすウェブアプリのことです。[…] PWA は発見でき、インストールでき、リンクでき、ネットワークに依存せず、プログレッシブで、再エンゲージでき、レスポンシブで、安全です。これらが何を意味するのかについては、プログレッシブウェブアプリの利点をお読みください。
すなわち、PWAはウェブの技術で実現した、アプリストアではなくブラウザ経由で導入できる、それでもネイティブアプリと似た使用感(ホーム画面アイコン、プッシュ通知、高速な読み込み等)のアプリケーションです。ひょっとすると読者の皆さんも利用したことがあるかもしれません。
多くの場合はプラットフォームごとにネイティブアプリを1から開発するより共通して利用できるPWAを開発するほうが低コストとして採用される技術ですが、コスト面以外でもアプリストア規約に抵触するものや決済手段の自由を得るためにPWAで提供されているアプリもあります。(競輪のアプリなど)
ちなみに同じアプリにネイティブ版とPWA版の両方が存在することもまあまああるので、比較してみるのもいいかもしれません。
セキュリティ
PWAがウェブの技術で実現されている、つまりブラウザ内で動作するということはブラウザという環境に制限されるということになります。これにはセキュリティ面での課題がついてきます。