読者のみなさんはビットコインのトランザクションが着金するのを確認したり、ブロックサイズを確認する際にはどうしていますか?
もちろん本稿のコアな読者の中には「自分のノードで確認するわ!」というユーザーもある程度いらっしゃると思いますが、世の中の大多数のユーザーはウェブで利用できるいずれかのブロックチェーンエクスプローラーを利用しているのではないかと思います。実際、取引所の入出金で送られてくるメールなんかにも、その取引所が選んだエクスプローラーのリンクが貼ってありますよね。
代表的なサービスとしてBlockstream.infoやBlockchain.comなどをよく見かけますが、他にもBlockchairや国産のChainflyerなど多数のエクスプローラーが存在します。これらは差別化ポイントとして、例えばSegwitの利用でどれくらい手数料を節約できたかを表示したり、「ユーザデータを保持しない」というトラストフルな約束をしたり、充実した検索機能などを提供していますが、保証できる形でユーザーのプライバシーを守るものはこれまでありませんでした。
今日はユーザーのプライバシーに重きを置いた新しいブロックチェーンエクスプローラー、Spiralの仕組みについて説明します。
Square Cryptoの新しい名前もSpiralなので紛らわしいですね。本稿で紹介するSpiralの開発が始まったのは2018年だったため当初は名前がかぶっていなかったそうです。ちなみに読み進めるとわかりますが、Spiralはブロックエクスプローラーではなく、読み手のプライバシーを守るDBです!
ブロックエクスプローラーのプライバシー問題
自身がローカルに立てたフルノード以外を使ってトランザクションやアドレスの残高を調べると、方法によってはその検索について何らかの情報が漏洩する場合があります。