ここ最近自分の個人的な感覚的にもビットコインの市場の大局観はかなり強気です。
投資家の注目などポジティブなニュースも続いていますが、このタイミングで一回改めてビットコインのファンダメンタル的なポイントについて状況整理をしておきます。
Delphi Degitalというリサーチ会社が先日公開した「The State of Bitcoin(2020)」レポートがよくまとまっていたので、このレポートの内容をベースにしつつ、考察していきます。
金融緩和とFiat通貨の際限なき発行
これについては特に細かく説明する必要はないでしょう。(規模は下記画像を参照)
コロナショックに対応する形で世界中の中銀が異次元の金融緩和(要は大量の通貨発行)に踏み込んでおり、デジタルゴールドとしてのビットコインが富の退避先として注目を集め始めています。
ポイントとしては今の「お金ジャブジャブ」状態は、熟練の投資家などからしても異常で緊急事態だと認識されていることだといえます。(以前から金融緩和はされていたが、世界同時発生かつその規模感のやばさに無視できなくなった感じ)
ビットコイン半減期と希少性の上昇
Fiatの大量発行が進行する中、ビットコインはこのタイミングで4年に一回の半減期を迎え、インフレ率(新規発行スピード)は年1.8%まで下がりました。
以前紹介したビットコインやゴールドの流通量(Stock)と発行(Flow)の割合を利用して、ビットコインの適性価格を推定するいわゆる「S2Fモデル」というものが存在します。
これはあくまで一説であり、果たしてこのモデルの価格予想が機能するかどうかは微妙なところですが、ビットコインの供給量の半減とそれによる希少性の増加(という認識)は基本的にはプラス材料に捉えられることが多いです。
機関投資家のビットコインへの注目
そして膨張し続けるFiat通貨とデジタルゴールドのビットコインの対比、というテーマが機関投資家にも本格的に注目されています。
仮想通貨界隈でも有名なアセットマネジメント会社であるGrayscaleのビットコインの購入金額は機関投資家の温度感を測る一つの参考になりますが、20年Q1にGrayscaleのビットコインへの投資額は急激に増加しており、平均週30億円以上のペースでビットコインを買い集めている計算になります。( vs 1年前は約週5.5億円)※下記添付画像
また、その他の著名な投資家、ファンドなどからビットコインへの好意的な発言も増えています。
有名ファンドマネジャーPaul Tudor Jonesはコロナ後の通貨の大量発行とインフレリスク、その退避先としてのビットコインに関して投資家への書簡を公開しています。
その中で彼はビットコイン、ゴールド、株/債権、キャッシュなどのアセットを
・購買力
・信頼度
・流動性
・携帯性
の視点から評価し、ビットコインはその他のアセットよりは総合評価点は低いが、時価総額的には過小評価されている「Great speculation」だ、と表現しており、ビットコインの今後10年への強気な姿勢を示しています。
自分が個人的に興味深いと思う点は、Paul Tudor Jonesも含めて特にビットコインの熱狂的な支持者というわけではないですが、現状の通貨大量発行、インフレリスク、資産の差し押さえリスクなどを考えると消去法的にビットコインを無視することが出来ない、というようなスタンスをとっていることです。今までは完全な投機商品という認識から、プロの投資家にとっても現実的なインフレヘッジの手段としてポートフォリオの数%にビットコインを入れておくべき、というような認識が進んでいます。
一般投資家の動き
機関投資家だけでなく、一般投資家も市場に戻ってきているサインがいくつも見受けられます。
コロナ相場の時に登録者数はむしろ増えた、と日本のBitbankが少し前に記事を公開していましたが、他の取引所でもKrakenなどが登録者数の増加を公表しています。(BinanceのCZも確か同様のツイートをしてたのですが、ソースが見つからず)
また、日本ではbitFlyerが地域限定ですがテレビCMを始めたり、これも取引所による一般投資家へのアピールのタイミングとエネルギーががいよいよ戻ってきているのを感じます。
ただし、Google Trendsで検索トレンドを見てみると、「Bitcoin」の検索度はここ数か月じわじわ上がってはきていますが、1年前の水準とそこまで変わってないですし、まだ17年~18年の数分の1程度です。その点ではまだ一般投資家がわっと大量に集まってきている状況になるにはもう少し時間がかかりそうです。
オンチェーン分析から見る市場の投資行動
ビットコインのオンチェーン分析からも、ビットコインの取引の活発化や買いだめ行動の様子がうかがえます。