前回(2022/04/13)より引き続き、原始的な物々交換が行われていた社会から、いかにして貨幣が生まれたのかという過程についてシミュレーションできないか、というテーマでコラムを書いております。
前回は、商品Aと商品Bという二つの商品がある世界を考え、その生産・消費を行う人々が余剰分を物々交換する市場を作ってみました。詳しくは前回コラムを見て下さい。
今回は、3種類以上の商品を仮定してみようと思います。
そして各人が毎日生産・消費している社会を考えましょう。生産量と消費量は、毎日ランダムで割り当てられているので、各人にそれぞれ違う量になることは前回と同じ設定です。生産量>消費量となるときは「余剰あり」ということになり、生産量<消費量となるときは「不足している」ということになります。
3種類以上の商品がある場合は、2種類の時と違う問題が生じます。例えば、A,B,Cという三つの商品があったとします。
A:余剰あり、B: 余剰あり、C: 不足している
という場合、次の2つの戦略が考えられますね。
戦略A 「Aの余剰分をCと交換することで、Cの必要量を充足する」
戦略B 「Bの余剰分をCと交換することで、Cの必要量を充足する」
また、これらを両方用いる場合も考えられます。
混合戦略「Aの余剰分とBの余剰分をCと交換することで、Cの必要量を充足する」
上のように私は整理してみました。その上で、ゲーム理論の要領で人々の行動(物々交換)の振る舞いを調べたいです。
このシミュレーションでの人々は、必要量が充足され、消費できると満足するという設定なので、できるだけ充足できるように戦略を選ぶように行動するはずです。市場で交換が成立できて、量も十分確保できるような商品ですね。市場レートに関する情報が得られるかが重要ですが、実際もそのような意思決定をするのかなと思います(もっと複雑要因が絡んでいるのような気もしますが)。
市場の交換レートなどを無視すれば、次のように決めるのも一例だと思います。