つい先週、Hashrate Indexの2022年3Qレポートが公開され、マイナーにとっての第3四半期がどのような時期だったかについて大変興味深いデータがわかりやすく掲載されていました。
今日はハッシュレート増加の背景、マイナーの株価から見た強者と弱者、そして上場企業によるマイニングの流れと懸念点について書きました。
ハッシュレートの増加が止まらない
ビットコイン価格は今年に入って軟調ですが、ハッシュレートの増加は止まる気配がありません。
7月1日から9月30日までの3ヶ月で2.14億TH/sから2.26億TH/sへと5%以上増加しましたが、10月は単月でそこからさらに12%以上、2.55億TH/sへと増加しています。
マイナーはマイニングプールに対してハッシュ(「シェア」)を売るという形態が一般的です。ブロックが見つかるまでに提出されたシェアの割合に応じて、そのブロックの採掘報酬が分配されます。したがってマイナーの売上を左右するのはハッシュあたりの報酬、すなわちハッシュ回数あたりの採掘報酬「ハッシュプライス」と呼ばれるものです。
第3四半期のハッシュプライスは安定しており、概ね$80-110のレンジで推移しました。しかし年初比ではビットコイン価格の下落と総ハッシュレートの増加が相まって、$250から約3分の1に落ち込んでいます。
これはマイナーにとっては本業の売上が3分の1になるということであり、よほど保守的に予算を立てていなければ非常に厳しい水準でしょう。
細かい増加の原因は複数説あり
さて、特に10月に入って以来のハッシュレートの大きな伸長の原因については諸説あります。10月もビットコイン価格はほぼ横ばいなのに、どこからハッシュレートが出てきたのでしょうか。