今年5月からビットコイン研究所に参加し、毎週金曜日のコラムを担当してきました。他のライターさんとは異なり、特に何の専門性もないため、コラムを書くにあたっては、その時々で話題になっているニュースや議論から興味のあるトピックを選び、1週間リサーチして得た知見をまとめるという手法を主に採ってきました。おかげで、普段なら表面的な理解で満足し、それ以上の踏み込むことはなかったであろう分野について、人様に説明できるくらいの知見を蓄積できました。誤解や理解の浅さを露呈する記事もあり、読者の皆さまには満足いくものではなかったかもしれませんが、個人的には非常に有意義な時間をいただいたと感謝しています。
私がコラム寄稿するのは一旦来週が最後となります。そこでラスト2回、今週と来週は2021年を振り返って、この1年の学びから、これだけは伝えておきたいことを書きます。
ビットコインと関連性が薄いものもありますが、ビットコインマキシの思考回路を理解する一助になると思いますので、ご容赦ください。
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トレードオフ
経済学の原点は希少性です。そのため、あらゆるリソースは有限で、どんな決断や選択にもトレードオフが伴うというの経済学の基本原則です。有名なものに「国際金融のトリレンマ」があります。これは為替相場の安定、自由な資本移動、独立した金融政策が同時成立することは不可能で、2つを得るにはどれか1つを諦める必要があることを指します。
トレードオフの原則は経済にのみ適用するわけではありません。政治、ビジネス、投資、進学、キャリア、結婚など社会や人生のさまざまな局面で下す選択全てに当てはまります。
しかし、「ブロックチェーン」「クリプト」界隈では往々にしてトレードオフの視点が欠落しているように感じます。それが無知に起因するのか、恣意的なものかはわかりませんが。
ビットコインに対してなされた過去の変更提案にもそれが垣間見えます。