3月下旬、ツイッターを眺めていると不穏なツイートが流れてきました。
If you run a listening Bitcoin node, how many inbound peers do you have from either:
— 0xB10C (@0xB10C) March 27, 2023
- 162.218.65.0/24
- 209.222.252.0/24
- 91.198.115.0/24
- 2604:d500::/32
You can check with:
bitcoin-cli getpeerinfo | grep -E '162.218.65|209.222.240|91.198.115|2604:d500:4:1'
ツイートにある通り、ビットコインノードを運用していればbitcoin-cli getpeerinfoコマンドで接続しているノードの一覧を出すことができます。Umbrel+Torを使っているので自分のノードには今回問題となっているノードは接続されていませんでした。
もしクリアネットでビットコインノードを公開している場合はぜひコマンドを試してみて下さい。いずれかが表示されたらたまたま自分から接続していることになります。
bitcoin-cli getpeerinfo | grep -E '162.218.65|209.222.240|91.198.115|2604:d500:4:1'
数日後に0xB10Cから先程のツイートをした理由について説明がありました。どうも多数のビットコインノードに接続を繰り返して監視を試みている主体がいると疑っているようです。
An entity I call LinkingLion, active since 2018 and on a Monero banlist, is opening connections to many clearnet Bitcoin nodes. Its presumably attempting to link transactions to node IPs. Maybe a chain analysis company trying to enhance its product?https://t.co/W4PDoln3p3
— 0xB10C (@0xB10C) March 28, 2023
今日はビットコインのP2Pネットワークでのプライバシーについて簡単に見ていきましょう。
オンチェーンの影に隠れる重要部分
長年仮想通貨業界にいる人でもビットコインについては通貨とブロックチェーンの部分についてしか知らない人が大半ではないでしょうか。ビットコインノードの動作とP2Pネットワークはあまり光が当たらない部分ですが、いわゆるビットコインコア開発者たちの作業の大半はこれらの部分に充てられていて、ビットコインの分散性や検閲耐性を縁の下で支えています。