今日は韓国のUpbitがハックされて50億円相当のEtherが流出、という事件がありました。Upbitは韓国最大の取引所で世界的にもトップ10に入る取引所です。日本でのコインチェックやZaif事件同様、今韓国で検討されている仮想通貨の規制のあり方などにも影響が一部あるかもしれません(すでに全額補償が発表されているので、ユーザーに影響はありませんが)
さて、以前韓国に行った時に、「韓国の仮想通貨、ブロックチェーン業界はすでに日本より先に行っている」という話がありました。
その一方、デリバティブ取引のレバレッジは2倍に引き下げ検討、仮想通貨の上場は厳しく制限、など、過剰な規制により日本の国際競争力も低下し、海外から見ても市場の魅力も以前ほどない、というのをデータを見ても浮かびあがってきています。
日本のビットコイン取引高の「本当の」シェア
ビットコインの取引高で見ると日本の世界でのグローバルシェアはどれくらいでしょうか?3か月ほど前にマネックスの松本さんをインタビューしたLonghashの記事ではCoinhillのデータを参照し、(当時)日本円のビットコインの取引高はUSDの64%に次ぐ第二位で、23.53%であり、「日本はまだ、暗号資産界において最重要なプレーヤーの一角だといえる」という主張をしていました。
ただし、このCoinhillというサイトはすでにしばらくメンテナンスされておらず、取引所のリストも古く、また現物とデリバティブ取引の取引高を混ぜて表示しており、こちらのマーケットシェアは全くあてになりません。
では、実際のビットコインでの日本の取引シェアはどれくらいか、ということで現物での通貨ごとの取引高ランキングを独自にトラックしてみました。取引高のランキングを作成する際にCoinGeckoの取引ペアごとのオーダーブック解析を利用しFake volumeと思われる、取引高を水増ししている疑惑のある取引ペアは除外しています。
その結果が添付画像①の通りです。
11月27日時点で、BTC-USDTの取引シェアは48.8%, USDが20.6%、韓国ウォンが12.7%、そして日本は7.3%で第4位という結果になっています。USDTの取引高は中国カウントしているのは、様々な報道やオンチェーン分析でもTetherの取引の多くは中国からの資金の流入、という既知のインサイトをベースにしています。
現物では現状USDT-BTCが圧倒的で、それをUSDが追う形。日本のシェアは1桁まで落ちており、このままでは今後もむしろシェアは落ちていくんじゃないかと思います。
また、デリバティブ取引でも昔はbitFlyer Lightningが世界1位の取引高を誇っている時期もありましたが、レバレッジ規制の影響もあり、ビットコインデリバティブ取引シェアでも5%程度まで落ちています(CoinGeckoのランキング調べ)
日本は特に2017年の仮想通貨取引の主要プレイヤーのポジションを完全に失い、仮想通貨も今後もこの業界は中国とアメリカが中心に引っ張っていく姿が浮かびます。
ノード数の分布から見る開発の盛り上がり具合