2020年10月7日 3 min read

トラベルルールのユーザーと事業者への影響

トラベルルールのユーザーと事業者への影響
Photo by Annie Spratt / Unsplash

今回は手短にいわゆるトラベルルールについて、最近の動きと各方面に与える影響を考えます。自分はリーガルやコンプラ方面は元々理解が深くはないですが、プロダクト設計などにも影響が出てくる可能性があること、また一般のユーザーにとってのビットコインのユーザビリティが大きく損なわれるリスクもあることから、トラベルルールについてはある程度以上ウォッチしています。トラベルルールについては少し前にプロボノのロビー団体であるCoinCenterが以下のような記事をまとめてくれています。

Are regulators poised to demand cryptocurrency address whitelisting? Probably not.
Rumors are circulating that regulators will soon require exchanges to only allow cryptocurrency withdrawals to “whitelisted” addresses or, worse, that

これによれば

(要点+コメント)

・取引所からの仮想通貨の引き出しは事前に本人確認して登録したホワイトリストアドレスにしか引き出せなくなる。もしくは場合によってはノンカストディアルなウォレット(アドレス)への引き出しが禁止されるかもしれない、というのはおそらく大部分過剰な心配である

・仮にもし上記のような運用が要求された場合、取引所で買ったコインは基本的に特定のアドレス、もしくはその他の取引所にしか動かせなくなるリスクがある。そうなると、新規生成されて取引所に足がついていないコインと、取引所間で運用されるコインの間で、CleanとDirtyコインのような形で分かれてしまい、価格差などが生まれてしまう懸念があった。

・スイスでは、取引所からの引き出しは取引所、もしくはノンカストディアルウォレットに関わらず事前登録したアドレスのみ、という厳しい規制を設けている。アメリカではこのような話はまだないが、CoinCenterは将来的にもノンカストディアルウォレットへの引き出しが禁止される可能性は非常に低いと考えている。(日本でも一部(多く?)の取引所は引き出しは特定のアドレス限定にしているところがある)

・このトラベルルールによるアドレスのホワイトリスト化は実際にほとんど意味がない、レガシーシステムを引きずっているだけ、という見方をされることが多い。取引所からの引き出しアドレスが限定されていても、その後ブロックチェーン上で別のアドレスに自由に動かすことが出来てしまうのであまり意味がない。

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