11月下旬、Web5にフォーカスなジャック・ドーシーが、ウェブ専用モバイルOSが必要だ、なんてツイートしました。
最近のTwitter社とApple社との対立の件で改めて思うところがあるのかもですね。
さて、Webを動かすOSといったらブラウザ技術がベースとなりそうです。
ビットコインをインターネット史としてたどる (1) ではビットコインの誕生がインターネット技術史においてどんな側面をもっていたかについて触れました。
今回は、インターネットと切り離せない技術である"ブラウザ"についてその歴史をふりかえってみようかと思います。
ブラウザの誕生
1980年代、欧州原子核研究機構(CERN)に在籍していたティム・バーナーズ=リーは、科学データ閲覧のための分散リアルタイムシステムを開発していました。そんな研究開発の成果物として、1990年11月には"WorldWideWeb: Proposal for a HyperText Project"を提案、12月には世界初のウェブサイトhttp://info.cern.chが公開されました。いわゆる、Webの誕生です。
今から考えると違和感がありますが、この当時はマウスを使って操作するようなグラフィカルなブラウザはまだ存在していません。CUIと呼ばれるテキストベースなインタフェースでブラウジングが実現されています。
今私たちがイメージするブラウザの先駆けは、イリノイ大学米国立スーパーコンピュータ応用研究所(NCSA)のマーク・アンドリーセンらによるMosaicブラウザであり、1993年にリリースされました。
CUIベースなブラウザとの決定的な違いは、同一ページ内で画像を混在して表示させている点ですね。
そんなMosaicのメンバーらは、1994年にはNetscape Navigatorを公開しました。Netscapeは本格的な商用ブラウザであり、クッキー、JavaScriptなどを初搭載していました。現代のブラウザの原形がここに見て取れます。
個人的な話ですが、はじめてのブラウザとの出会いはNetscapeでした。当時通っていた中学校の有志の先生と生徒とで集まって、はじめて画像を表示させたときの興奮をよく覚えています。
NetscapeはSSLを用いたセキュア通信を初導入したブラウザとしても有名です。これにより、クレジットカード決済をオンラインでも安全に行えるようになりました。公開鍵暗号の技術がインターネットに本格的に持ち込まれたという点でビットコインの原点はここにあるともいえます。