2020年5月14日 3 min read

LiquidやLNとNFTの将来性

LiquidやLNとNFTの将来性
Photo by Mikki Seifu / Unsplash

今回の記事では、ちょうどツイッターで話題になっているのを見かけたので、私が最近の寄稿でテーマにしている「カストディやオフチェーンで十分な場合」を念頭に、NFTについて考えます。

現在のビットコインのレイヤー1、レイヤー2でのNFTの利用を踏まえて、NFTの将来性はどこにあるのか考えていきましょう。

便宜上、この記事でNFTとは1つ1つが分割不可能で発行枚数に上限のある、レア度や性能など何らかの性質を表すデータを持つトークンと定義します。また、前提として主にゲーム向けのNFTの話をしたいと思います。
LIQUID上のNFT

ライトニングを使ったゲームとして開発中のLightniteというものがあります。ゲーム自体は大人気のバトルロワイヤルゲーム「Fortnite」に似せてあり、相手プレイヤーを倒すとsatoshiがもらえるというものですが、今週こちらのゲームのスキン(強さには影響しない、キャラクターの衣装)をLiquid上のLiquid Assetsという仕組みでNFTとして発行したことで話題に上がりました。

ゲームとしての楽しさとして、satoshiを勝ち取ったり失ったりできるモードではスキンも勝ち取ったり失ったりすることができ、またこのモードで失われたが他のプレイヤーに拾われなかったスキンはバーンされ、残ったものの希少性が上がる、というシステムがあるようです。
現時点で、ユーザーが独自にスキンを作る仕組みはありません。

Liquidは現状ではほとんど利用されていませんが、それはすなわち利用コストの安さにつながるので、Liquid Assetsの仕組みでLiquid上でステーブルコインやNFTを発行する流れはしばらくは続くでしょう。

ちなみに現状のLiquidで捌けるトランザクション量はビットコインのレイヤー1とほぼ同数なので、何かLiquid上のものが非常に流行した場合に送金コストが高くなり、単価の低いNFTには逆風となることが考えられます。
LN上のNFT

LN上でNFT・カラードコインを取引できるようにすることが目的のプロジェクトはRGBやInazmaなどいくつかありますが、厳密にはオンチェーン(ビットコインまたはイーサリアム)で発行・決済してLN(のようなネットワーク)上で取引するという分担になっており、オンチェーンのNFTと同様の制約を受けます。Multi-asset channelsの仕組み自体がそうなっています。(Liquidと違い取引記録を当事者しか持たないので、ブロックチェーンへの記録なしでは実現できない)

オンチェーンのNFT

ビットコイン上では、有名どころではカウンターパーティーを利用したRare PepeというNFTが2016年頃に登場しましたが、最近ではビットコインブロックチェーン上のNFTはコスト面であまり使われなくなっています。
この変化は、よほど価値のあるNFTの取引でなければ1回数百円以上払ってNFTを配布したりトレードしたりすることは非経済的だということが1つの理由でした。

Rare PepeやPepecashの歴史については東さんの記事「さらばPepecash~Pepecashの歴史を振り返る in 2020~」が詳しくて面白いのでぜひご覧ください。Rare Pepe・Pepecashコミュニティがどのような文化を持ち、流行りだしてどう変化していったのかなど、貴重な証言だと思います。

オンチェーントランザクションのコストによって、非常に高額のユースケースはまだしも、ゲームのNFTなどがビットコインブロックチェーン上で直接扱われることはおそらく今後ないでしょう。

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