10月9日、ライトニングチャネルを閉じずにリバランスするPeerswapプロトコルをより便利に拡張しようと匿名開発者のZmnSCPxjからLightning-devメーリングリストに提案がありました。今日はその内容について解説します。
Peerswapについて
Peerswapについて詳しくは過去記事を参照してください。
短くまとめると、一方に偏ってしまったライトニングチャネルの残高を自分への送金によってリバランスする代わりに、チャネル内で残高が余っている方のチャネル内残高とその相手のオンチェーンの資金とをアトミックスワップで交換してリバランスと同様の効果を実現するシンプルなプロトコルです。ローカルバランスがほしい、リモートバランスがほしいの両方の場合に対応できます。
ライトニングの送金手数料は金額に比例するため、金額が大きいチャネルのりバランスをライトニング上で行うのはコストが高くなりがちです。そこで、チャネルを持つ相手が応じるならばPeerswapを使ってオンチェーンの安い手数料でリバランスを行うことができます。
Peerswapの欠点
従来のPeerswapにも欠点があります。チャネルを共有する相手としかできないこと、ローカルバランスがほしい方のオンチェーン資金に余裕があること、そしてオンチェーンのトランザクションがHTLCの作成時とHTLCの決済時の2回発生することです。
そこで、Forwardable Peerswapsは直接チャネルを共有していないノードとでもPeerswapを実行できるように従来のPeerswapを拡張する提案です。
Forwardable Peerswapsの仕組み
Forwardable Peerswapsの機能はインセンティブ設計に要点があります。まずは大まかな流れを見ていくためにOnchain-to-offchain Peerswap (オンチェーン資金を使ってローカルバランス=LNチャネル残高を買う)を考えます。