先週の記事ではライトニングノードをクラウドにホスティングする技術であるGreenlightを紹介しました。Greenlightを採用しているウォレットはいくつかありますが、その中でも最近リリースされたスイスのElysium WalletというウォレットはGreenlightを使ったライトニング対応以外に「ユーザー自身が秘密鍵」などと謳って独自色を出しています。(他にもいろんな表現を使っていますが、後述します)
先週の記事は↓
ライトニングノードを共有できる時代は来るのか?
「普通の人はライトニングノードなんて実行しない」という主張には、技術的な難しさの側面とコストの側面があります。前者はさておき、後者は日常生活の出費をビットコインで支払っていない場合は月間の送金額も非常に小さくなりやすく、確かに手間や費用を考慮した経済合理性には疑問符がついてしまいます。 しかし、そこですぐにカストディ型のライトニングウォレットに走るのではなく、ライトニングノードの運用コスト低下を目指す人たちが存在します。比較的お手軽に利用できるノンカストディアルなライトニングウォレットの裏にはユーザーに軽量なノードを実行させるLSP型と呼ばれるもの以外にも、ユーザーの秘密鍵以外をデータセンターに置いたり、はたまた複数人で1つのノードを共有する構想など、様々なデザインパターンがありえます。 今日は実際にいくつかのウォレットで採用されているGreenlightというノード管理代行サービスと、リガのカンファレンスで聞いてきた1つのライトニングノードを複数のユーザーがノンカストディアルに共有できる構想について解説します。 ・Greenlightではノードをサーバーに置き、ユーザーのウォレ
残念ながらElysium Walletはオープンソースではなく、また日本からはダウンロードできないようですが、ウェブサイトやブログ上の表現などから仕組みを推測することならできます。果たして彼らの使っている売り文句は技術的な側面からみて妥当なのかを検証してみましょう。
なお、私も実際にインストールして使うことができてはいないので、これはあくまで技術的な推測を元にした記事となります。また、同名のブロックチェーンが存在するようですが、それとは無関係だと思われます。
・複数のファクターから1つの鍵を毎回復元する方式
・Greenlightとの相性はけっこう良い?
・不適切に感じるマーケティング表現