自身がサトシナカモトだと主張するCraig Wrightとhodlonautとの3年にもわたる法廷論争が決着しました。この裁判ではCraigはサトシ・ナカモトだとは認められず、また、348,257ドルの賠償を命じられました。

Hodlonaut Defeats Craig Wright In Norwegian Court Case: Judge Rules CSW is Unlikely to be Satoshi
“Against this background, the court believes that (Hodlonaut) had sufficient factual grounds to claim that Craig Wright is not Satoshi Nakamoto in March 2019,” reads the transcript. “Wright has come out with a controversial claim, and must withstand criticism from dissenters.”

詳しいことは上記URLを参照いただくとして、これが意味するのは、ゴシップのひとつに決着がついたといったところでしょうか。CraigがリードしていたビットコインSVにとっては影響が大きいかもしれませんね。

さて、今回はそんなビットコインSVや、同様にビットコインから分裂したビットコインキャッシュについて、これらのコインって今どうなっているんだろう、というのを追跡調査してみました。

おさらい

まずは簡単に歴史をおさらいします。各コインは次のような時期に誕生しています。

  • 2009年1月 ビットコイン誕生
  • 2017年8月 ビットコインキャッシュ(BCH)がビットコイン(BTC)から分裂する形で誕生
  • 2018年11月 ビットコインSV(BSV)がビットコインキャッシュから分裂する形で誕生

ほかにもビットコイン〇〇というのが沢山登場しましたが、日本では上場していないので省きます。

以下、各コインごとの状況を簡単に俯瞰します。

価格推移

2017年8月以降での価格推移は次のようなかんじです(BSVは横軸がずれていることに注意)

BTC/JPY [Coinmarketcap]
BCH/JPY [Coinmarketcap]
BSV/JPY [Coinmarketcap]

いやあ、どれもなかなかのボラリティですね。でも、2022年にはいってからは安定している?

さて、現時点(10月26日)での1枚あたりの価格はというと、

ビットコイン: 305.37万円

ビットコインキャッシュ: 1.69万円

ビットコインSV: 0.71万円

とずいぶんと開いてしまっているようです。

取引所での状況

日本暗号資産取引業協会(JVCEA)によると、現在日本には33の取引所が存在しています [参考]。

そのうち、2022年10月現在での各コインの取扱取引所数は次の通りでした。

暗号資産名 取扱取引所数
ビットコイン 30
ビットコインキャッシュ 26
ビットコインSV 1

参考: https://jvcea.or.jp/about/document/#gaiyo

ビットコインを扱っていない取引所が3社あるのは面白いですね。

ビットコインSVはフォビジャパンのみが扱っているようです。

取引所における取引量についても公開されていました。

2022年8月 現物取引高上位暗号資産

8月だけで現物BTCが5829億円分も取引されています。

対して、BCH、BSVはというと、取引量ラインキング10位以内には入っておらず「その他」としてまとめられてしまっていました。最大で245億円程度の取引量なようです。

世界での状況

BCHのその後

2017年に誕生し、その後2018年にBSVと袂を分けたBCHですが、実は2020年にさらに

  • BitcoinCash ABC (BCHA)
  • BitcoinCash Node (BCHN)

とにハードフォークしています。ややこしいですね。

ビットコイン伝道師として有名なRoger VerはBitcoinCash ABC陣営となっています。

Roger Ver はBitcoinCash ABC派に

日本の取引所ではBCHNをティッカーシンボルBCHとして取り扱っており、BCHAは取り扱いがありません。

世界に目を向けると両方を取り扱っている取引所もあります。例えばバイナンスはBCHNはBCH、BCHAはそのままBCHAというシンボル名で取り扱っていました(過去形なのは、以下が理由)。

さて、そんな支持を得るのに苦労していたBitcoinCash ABCですが、2021年7月にはeCash(XEC)にリブランディングしています。リブランディングにより最大発行枚数がビットコインの1万倍の21兆枚になりました。最近では、Avalancheというコンセンサスアルゴリズムに移行したようで、ファイナリティが1コンファームなのが売りとのこと。また、こちらのツイートから察するにPoSになるようです。もう名実ともにビットコインの名を背負わないコインとなったようです。

そんな、eCash Avalanche Networkは現在42ノードで運用されているとのことです。

BSVのその後

冒頭で紹介したCraig率いるBSVですが、その誕生からずっとCraigによる裁判の印象が強いです。名誉毀損で提訴したり、

クレイグライトがロジャーバーを名誉毀損で再提訴、ビットコインキャッシュ騒動で激しく対立
ビットコインの生みの親「サトシ・ナカモト」を自称するクレイグ・ライトが、Bitcoin.comの創設者ロジャー・バーを名誉毀損で再度訴えたことがわかった。今回裁判の舞台となるのは、カリブ海の島国だ。

ホワイトペーパーの著作権侵害を訴えたり、

英裁判所、ビットコインWP著作権侵害訴訟でクレイグ・ライトによる申し立て申請を許可
サトシ・ナカモトを自称するクレイグ・ライト氏が、仮想通貨ビットコインのホワイトペーパーの著作権を巡る申し立てを行うことを、裁判所が許可したことが分かった。

といった具合です。

肝心なBSVブロックチェーンはというと、訴訟のせいなのか少数派PoWなせいなのか、大規模な攻撃を受けること幾度、といった状況。

2021年6月24日、7月1日、6日、9日の攻撃

ビットコインSVに何が起こっているのか? | coindesk JAPAN | コインデスク・ジャパン
有数の派生暗号資産であるビットコインSV(BSV=Bitcoin Satoshi Vision)は、激動の数週間に揺れ動かされた。 ネットワークへの攻撃 まず、 ...

8月3日の攻撃

ビットコインSVに大規模な51%攻撃
ビットコインSV(BSV)は、3日の午前11時45分頃(米国東部夏時間)から「大規模な」51%攻撃を受け、最大で3つのバージョンのチェーンが同時にマイニングされた。

また、2022年にはいると、ビッグブロック派の宿命なのか、いたずらや攻撃なのか異常なブロックサイズになっているようです。ここ一ヶ月でブロックチェーンサイズが2TB増加しているとのこと。

ノード運用はちょっとやそっとの覚悟では出来ない規模になっているようです。

ノード数を調べてみたところ、18ノードとのことでした。

BSVノード数 [https://blockchair.com/ja/bitcoin-sv/nodes]

PoWチェーンでこの規模の分散性なのはちょっと心配です。

まとめ

今回はBTC以外のビットコインであるビットコインキャッシュ、ビットコインSVについて、誕生後どうなったのか近況を調査しました。調査当初はどんな実利用をされているのか、といった点にフォーカスして調べたかったのですが、なかなか有意義な文献にたどり着かず、ちょっと寂しい感じになってしまいましたね。

こういった使われ方をしているよ、と見聞きされている方、是非こそっとコメントを頂ければと思います。