2021年6月18日 5 min read

ビットコインは貨幣になれる? ②貨幣化プロセス

ビットコインは貨幣になれる? ②貨幣化プロセス
Photo by Chris Briggs / Unsplash

本コラムは「【2021/06/04】 ビットコインは貨幣になれる?①貨幣の条件」の続きです。①を未読の方は、先に①に目を通すことをおすすめします。

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ある財がフル機能を備えた貨幣へと進化するには、以下4つの段階を経ると言われています。

  1. コレクションアイテム
  2. 価値貯蔵手段
  3. 交換手段
  4. 価値尺度

第1段階では、例えば、美しい、珍しいなど人々の興味、収集意欲を掻き立てる財の特性が需要を喚起します。貝殻もビーズも金も貨幣になる前は装飾品として収集されていました。

ビットコインの場合、それまでの中央管理体がトランザクションの正当性を担保する電子マネーや決済ネットワークと異なり、中央管理体を排除した分散ネットワークでありながら、始動当初から設計通りに動いたことに興味をそそられた暗号学者、コンピュータサイエンティスト、サイファーパンクがマイニングを始め、マイニングしたコインを互いに送受金し、プロトコルやコードに欠陥がないか検証していた2009〜2010年にコレクションアイテムとしての需要が生まれ、価値がつきました。

その後、ビットコインは半減期をトリガーとするバブル→バブル崩壊→停滞期というサイクルを繰り返しながら価値を上げ、ブロックサイズをめぐる内輪揉め、度重なる取引所ハッキング、ランサムウェアなど犯罪での利用などの悪いニュースをPR材料にしながら認知度を高めます。その過程で、総供給量と供給スケジュールが予め決まっているビットコインに希少性を見出し、価値貯蔵手段として使う人が現れました。

ビットコインの第2段階の価値貯蔵手段への移行を決定づけたのは、昨年2020年のコロナパンデミックです。未曾有の事態に対処するため、各国政府は巨額予算を組み、中央銀行は紙幣印刷機をフル稼働させ、国民に現金を配り、企業に無利子無担保で融資します。すると、インフレを予測した個人が自衛策として金や優良株とともにビットコインを買い始めます。

https://youtu.be/YPHEM4gEqvg はアメリカの経済刺激策予算10兆ドルを可視化した動画です。法定通貨の価値に疑問を感じずにはいられないホラー映画のようです。)

5月にマクロ投資家Paul Tudor Jones氏が資産の2%(100億円相当)をビットコインで保有していることを明かすと、それまでビットコインを冗談のネタとしか思っていなかった機関投資家が態度を軟化させます。8月にはMicroStrategyが21,000ビットコインを約260億円で購入したと公表し、株価が急騰しました。今年2月に同社が開催したビットコインの購入と保有に関する企業向けセミナーには6,917社から8,197名が参加、企業がビットコインを持たないリスクを意識し始めたと解釈してよいでしょう。その数日後に飛び込んだTeslaによるビットコイン購入のニュースが最後のダメ押しとなりました。

(先月以降のTesla CEOによる発言は一時的に価格変動率を高めて普及を妨げる可能性はありますが、欧米では法人によるビットコイン購入、保有ハードルを下げる商品やサービスが次々とリリースされており、機関投資家と企業によるインフレ保険としての利用は今後も増え続けると考えます。)

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現在、ビットコインは貨幣化プロセス第2段階に位置し、価値貯蔵手段として機能しています。では、ビットコインが第3段階の交換手段に進化するための必要条件は何でしょう?

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