こんにちは。AndGoのハードウェア担当の片山です。
今回はTrezor Oneをさらに深ぼっていく予定だったのですが,BlockstreamのJadeというハードウェアウォレットを入手し分解しましたので,レポートしたいと思います。Jadeは小型の液晶画面,ジョグダイアル,カメラが付き,バッテリーで動作します。M5Stack社のM5Stick CやVに構成が非常に似ていますが,完全に同じというわけでもなく独自に開発したもののようです。
今回は写真の枚数が少し多めですので,番号を振り記事に対応させています。
(1) フタを開けたい衝動を抑え,電源が入ることを確認。 大きめの消しゴムぐらいのサイズです。電源ボタン(下)とボタン(正面),ジョグダイアル(上)がついています。ボタンの役割が直感的にわかりにくいですが,操作感は悪くない感じです(ジョグダイアルが使えなくなった個体があったという噂もありますが・・・)。USB Type-Cで充電しリチウムイオン電池が入っているのでUSBケーブルを抜いても動作します。液晶はフルカラーです。
(2) 1.5mm(もしかすると1/16インチ?)の六角レンチで1本で分解することができます。六角レンチはホームセンター等で入手可能です。筐体の中に電子回路基板と電池がコンパクトに詰め込まれています。プラスチック部品も4個だけで非常に低コストでできています。液晶モジュールがむき出しなので,耐久性が若干心配です。
(3) 電子回路基板の裏側を見てみます。カメラモジュールが見える他に,シルク印刷(白文字)で「For Evaluation Only」と書かれています。「評価用以外には使わないでね」ってことですが良いのでしょうか・・・。
(4) 横から見てみます。液晶画面が少し浮いていますが,電子回路基板と液晶の間にスチロールでできたスペーサーが両面テープで貼り付けられています。片方が傾いていますが,もともとこのような形になっていました。電気が流れるようなものでないので大丈夫といえば大丈夫ですが,割といい加減な作りになっています。
(5) 表面を詳しく見ていきます。液晶の右側に比較的大きなICが見えます。ピン数も多いので一見重要そうな部品ですが,AXP192という電源管理ICです([http://www.x-powers.com/.../product_detail/article_id/29](http://www.x-powers.com/.../product_detail/article_id/29)) USB給電とバッテリー充放電,液晶のバックライト,マイコンへの電源供給などを行っています。M5Stick Cでも使われている部品のようです。またバッテリーは300mAhの容量のものがついています。スマホのバッテリーに比べると1/10程度の容量です。直にはんだ付けされているのがちょっと気になります。というのもリチウムイオン電池は最近は安全になってきているとはいえ,プラス端子とマイナス端子をショートさせると大きな電流が流れます。リチウムイオン電池そのものも発熱して最悪の場合は発火することも考えられます。本来は安全のためにコネクタでしっかり接続し,交換もできるようにすべきです。