2022年8月12日 3 min read

ビットコインはGitHubにどれくらい依存しているのか?

今週の一大ニュースとして、Tornado Cashというイーサリアム上のミキサーのコントラクトアドレスがOFAC規制(制裁)の対象となりました。OFAC規制とはマネロンやテロ資金供与対策のために米国財務省が定めるルールです。今回はTornado Cashの各プールのアドレスがSDNリストに追加されたことにより、米国内の企業や個人がTornado Cash由来の資金と取引することを禁じられたとの解釈が広まっています。(コントラクトアドレスが制裁対象になるのは初のようなので、どの解釈が正しいのか、この規制が認められるのかなど、今後法的な整理がされていくのでしょう)

本稿の読者はほとんどがご存知かと思いますが、ミキサーとはオンチェーンで追跡しやすい資金の流れを追いにくくするためのサービスで、プライバシーを目的に利用されます。ハッキング等で流出した資金の多くもミキサーを利用するため犯罪利用が目立っていますが、ある意味その効果性を証明しているとも言えるでしょう。

これに関連して、早速様々な事業者が制裁で求められていること以上の過剰な自主規制を始めました。フルノードを持たないユーザー向けにウォレットなどから利用されるAPI (RPC)を運営するInfuraやAlchemyがTornado Cash関連のリクエストをブロックしたり、dydxという"分散型"取引所(※注文機能などが中央集権的に運営されているので事実上は分散していません)が過去にTornado Cashを利用した可能性がありそうなユーザーを全員一律でBANしたりということの他に目立ったのは、GitHubがTornado Cashのリポジトリ及びコントリビューターのアカウントをすべて削除したことでした。現時点ではコントリビューターのアカウントを含め復旧されておらず、声明も発表されていません。また、制裁で求められている行動ではないため、界隈のプロジェクトについてGitHubの持つ影響力に対して警戒感が強まっています。驚いていないのは過去にこれまた自主規制で突然アカウントを閉鎖されたイラン人開発者などでしょうか。そこで、bitcoinのGitHubリポジトリが削除されたらどうなるのか、他の手段は何が用意されているのかなどを調べてみました。

GITHUBとGIT
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