ライトニングでは原則的に送金を受け取る側が先に一度限りしか使えないインボイスを発行して送金者に送る必要があり、これがユーザー体験を複雑にしていると言われがちです。そこでLNURL-payという仕組みができ、ウェブサーバーを立ち上げて特定のパスへのアクセスをさばくことで「オンデマンドでインボイスを発行できる」ようになりました。
LNURL自体も人間には読めない長い文字列であったため、LNURLへと「変換」できるLightning Addressというものが生まれました。メールアドレスのようにuser@domain.comという形式のLightning Addressに対して支払いたいユーザーのウォレットは、domain.com/.well-known/lnurlp/userというURLにインボイスを取得しに行きます。
詳細は下記の記事からどうぞ。
Lightning Address / LNURLの最大のネックはサーバーを立てる必要があること、そして自分のライトニングノードが必要なこととされてきました。このあたりを解決すべく登場したいくつかのプロダクトも本稿で取り上げています:
前置きが長くなりましたが、最近BOLT12が使えるウォレットが増えてきました。例えばPhoenix Wallet、Core Lightningなどが対応しており、Lndが年末~来年にかけて対応すれば来年にも一般的な技術となるかもしれません。今日は、BOLT12の導入によってLightning Addressと同じようなことを、サーバーを立てる必要なしに実現するための方法BIP-353を解説します。
BOLT12についてはこちらをご覧ください:
・DNSの設定+サーバーの立ち上げからDNSのみへ
・プライバシーを重視するには追加の工夫が必要
・普及への障害はDNS設定の馴染みの薄さとノード運用の負担か