マイニング関連のデリバティブとしてこれまでにもハッシュレート先物などを本稿で数回取り上げています。事業としてのマイニングは比較的変数の少ないビジネスで、残るリスクを数値化しやすいという特徴があり、このようなデリバティブの潜在的需要があります。
例えば、想定より速いペースでネットワークのハッシュレートが伸びてしまうと、想定していたより自分のハッシュレートのシェアが小さくなってしまい、売上が下振れします。このリスクを軽減する1つの方法としてハッシュレート先物をロングすることで、ハッシュレートの上振れ時に採掘量の下振れを相殺するという戦略が考えられます。
もちろんこのようなリスクヘッジ自体にもコストがかかってしまいますが、過去に取り上げたハッシュレート先物、そして今回紹介するサービスの存在意義はその選択肢を提示することにあります。
今回紹介するbitcoinprediction.infoは「次のブロックを採掘するマイニングプール」を当てた勝者が賭け金を山分けできるというシンプルなコンセプトで、マイニングプールがリスクヘッジに使うことができるとしています。今日は自分が「不正をする余地があるのではないか?」という疑問を持ったのでそこを考えてまとめてみました。ついでに、マイニングプールからの需要はないのではないか?という考えにも至ったので、そこも説明していきます。
・なぜマイニングプールは名乗り出るのか
・「次のブロック」だと実質的にマイニングプールが無双できてしまう?
・ヘッジの判断をすべき主体はおそらくマイニングプールではない