先週の記事でライトニングのルーティングでこれまで考えられなかったような収益を上げている事業者がいることを紹介しました。もちろん、寝かせておけば勝手に増える性質のものではなく、戦略性とコミットメントがなければ勝てない分野であることは大前提ですが、ルーティングによるビットコインの運用が脚光を浴びているのも事実です。
CashAppのLSPがライトニングの中継で年率9.7%稼ぐカラクリ
ちょうど今、アメリカ・ラスベガスでBitcoin 2025という大規模なカンファレンスが開催されています。メインステージに政財界から豪華な登壇者が来ていることが話題になりがちですが、こういうカンファレンスで一番面白いのはオープンソース開発者や業界内のコアな事業者がサイドステージやサイドイベントで他では聞けない赤裸々なデータを共有していたり、プライベートな実験の話をしていることだったりします。 今回のカンファレンスも例外ではありません。サイドステージで行われたとある発表がライトニングネットワーク関係者の間で大きな話題となっています。 それはc=という現在世界で7番目に規模の大きいLSPが、ライトニングネットワークにおける送金中継(ルーティング)で年率9.7%、額にして年間で9BTCほどを稼いだという発表でした。これまで、ライトニングの送金中継で年間3~5%ほど稼げれば非常に優秀、という相場観でしたが、この規模のルーティングノードでも10%近く稼げるということが衝撃的でした。 しかも、c=はCashApp(Squareの個人間ペイメントアプリ)の専属のLSPなので、CashAppユー
そんな中、ライトニングネットワークのデータ可視化などを手掛けるAmboss.spaceがライトニングノードの運用を代行するAmboss Railsというサービスを発表しました。まだ先行登録の段階ですが、非公開のものを含め大量のデータを持つ彼らが提供するサービスに大きな関心が集まっています。
Amboss Technologies, Inc.
Intelligent payment infrastructure built on Bitcoin: designed for real-time, low-cost transactions that scale effortlessly, empowering next-gen digital economies.

今日は公開されているAmboss Railsの詳細をもとに、批判的な視点でプロダクトとしての性質を見極めてみます。
・Ambossが提供できる価値とその対価
・得られるリターンはどれくらいか
・ノンカストディアルという表現は精査したい