こんにちは。日本でも徐々に物価の上昇が身の回りに忍び寄ってきました。通貨が増刷されて物価が上昇するのは、いつの時代でも観測できる歴史ですね。
さて、よくインフレ対策として、金やビットコインの保有を勧める記事を見ることが多くあります(筆者のも含めて)。
ただ実際にビットコインを買おうとすると、「たった1ビットコイン」を買うのに1,000万円超を支払う必要があることに、すごく抵抗を感じてしまうのではないでしょうか?
そこで当記事では、「頭ではビットコイン保有が必要と理解しているのに感情が邪魔して行動できない悩みを解決する方法」を提案してみたいと思います!
単位を変えて解決する: 1BTC ⇔ 1億Satoshi !
ビットコインは少数点以下に分割することができます。このビットコインの最小単位であり、発明者であるサトシ・ナカモトにちなんで名付けられたのが、Satoshi(サトシ)と呼ばれる単位です。
1 Satoshi = 0.00000001 BTC (ビットコイン)
1ビットコインは100,000,000(1億!)サトシに相当します。
当記事の提案は、「1ビットコインよりも1億サトシって呼称したほうが多く持っているような気になれるし、買いやすいんじゃない?」
というものです。そんだけ?
いやいや、試しに1ビットコインが1,000万円のとき、1万円で買えるサトシ様の数を計算してみましょう。
計算:
- 1万円が1ビットコインの何割に相当するかを計算します。 1万円 ÷ 1,000万円 = 0.001 BTC
- 1ビットコインは100,000,000サトシなので、0.001 BTCに相当するサトシ数を計算します。 0.001 × 100,000,000 = 100,000 Satoshi(10万サトシ)
つまり、ビットコイン価格が1,000万円のとき、1万円で10万サトシを購入することができます!
これだと買うための心理的な抵抗感も小さくなるのではないでしょうか?
単位を変えただけやん!子供だましー!!
いえいえ、これには行動心理学に基づく深淵が含まれているのです。少し深堀してみましょう。
人間の「損失回避性」を回避するためにSatoshiを使う
ビットコインに興味を持たれている方は、論理的に考えてインフレ対処にビットコインが有効であることを理解されていると思います。
ただ買うとなると、前述のような抵抗感が半端ないんですね。
これは行動心理学でいうプロスペクト理論によるものです。下のようなグラフで説明されるものですね。
↑ プロスペクト理論による損失回避性のグラフ;Wikipediaより
グラフ右側は利益、左側が損失、そしてS字っぽい曲線が心理的な痛み(↓)と喜び(↑)を表しています。
よく見ると、左側の損失側に入ったとたん、心理的なマイナス角度、つまり痛みが急速に深まっていることが分かります。
代表的な研究によれば、損失の心理的影響は利益の2倍から2.5倍程度と言われています。
つまり100万円を失う心理的な痛みは、100万円を得ることによる喜びの最大で2.5倍にも至るということですね。
これは損失回避性と呼ばれます。人間は進化の過程で、危険を回避することができる種族が生き残ってきた経緯があるため、脳内リソースが損失回避へと振られているんですね。
この損失回避性が、ビットコインを買うときに顔を出してしまうのです。
先述の例なら、1万円を支払って得られるのが、たったの0.001ビットコインです。なんだか99.9%くらい損した気分になりませんか?
頭では単位変換の問題とわかっているんですよ。でも私たちが生まれながらに持っている損失回避性が行動を押しとどめてしまうのです。
ロジックで分かっているのに感情が邪魔をしてしまうなら、感情をダマしてしまうこともひとつの手段です。
以下、同じビットコインの数量を並べたものです。どちらを買いたいと思いますか?いえ、どちらを買いたくないと感じますか?
□ 10,000 円 ⇔ 100,000 Satoshi
□ 10,000 円 ⇔ 0.001 BTC
試しにツイッターでアンケートをしてみた結果がこちら!
なんと、、、0.001BTCの方が多いですね。
せっかくのアンケートなのに、Satoshってiを抜かしてしまったことも影響しているかもしれません。もしくはSatoshi の単位が知られていないという理由もありそうです。
では最後に、これらを踏まえてSatoshiの単位をパッと感覚的に把握し、行動につなげるための考え方を提示してみたいと思います。