地獄の沙汰も金次第ーーー無理だと思えることでも、お金さえあれば何とかなることを表しているとか。逆に、普段お金を払ってしてもらっていることは、金がなくなればどうにもならなくなるとも言えそうです。
いま米国の現金が枯渇しかけているのは、メディアを騒がす債務上限問題。
参考までに債務限度額とは、社会保障やメディケアの給付、軍人の給与、国債の利子、税金の還付、その他の支払いなど、米国政府が既存の法的義務を果たすために借り入れることが許可されている金額の合計のことを指します。
今の米国は、すでに債務限度に到達しており、別の口座から現金をかき集めて支払いを続けている状態です。
ゴールドマン・サックスの予測では6月8日から9日にも現金が枯渇する予定だとか。Googleでの「Debt Limit」キーワード検索も5月17日に最大へと上伸しています。
仮に引き上げ合意に至らなかった場合はどうなるのでしょう?米ホワイトハウスは「株式市場が45%急落する」との予測(警告?脅し?)を出しています。
The Potential Economic Impacts of Various Debt Ceiling Scenarios
https://www.whitehouse.gov/cea/written-materials/2023/05/03/debt-ceiling-scenarios/
さらっと書いてますが、SP500株価指数が45%下げるなら、こんな感じですよ?
↑ 米国の債務上限引き上げが合意に至らなかった場合:ホワイトハウスが予測する株価の下落率は45%
米国まるごと地銀化して新型コロナ発生時に全戻しですね。おかえり。まぁ現金を刷って無理にかさ上げした市場ですから、消えて無くなればそれはそれで綺麗さっぱりです。
とはいえ、株価下落の被弾は避けられるならさけたいところ。
そこで当記事では米国の現金残高を確認する3つの方法を紹介し、記事後半では米株が45%崩落した際のビットコイン動向について私見を述べてみたいと思います。
① DebtLimit|米国財務省~借入上限を確認
下へスクロールし「Daily Debt Subject to Limit Activity」をクリックします。
PDFが開きますので、1ページ目下の方から「Total Public Debt Subject to Limit」を探します。
ここに記述されている金額が、引き上げ待ちの現債務上限となります。
31,381,438 million USD。こんなにあるなら、1 million くらいクレ。あ、債務だからもらったら大変ですね。
② Treasury General Account (TGA)|米国財務省~政府保有の現金残高を確認
https://fiscaldata.treasury.gov/datasets/daily-treasury-statement/operating-cash-balance
ページ内のTreasury General Account (TGA) Closing Balanceを確認します。例えば下のシートでは5月18日時点での残高が表示されています。
5月18日の開始残高が68,332 million USD、終了残高が57,341million USD。一日あたり約11,000 million USDを消費しています。
単純計算で残高が0に減るまで5.2日間。6月を待たず現金在庫が0になる可能性があると分かります。
それにしても財務省の借入残高が 31,381,438。保有現金が57,341。借り入れ比率は547倍です。
暗号通貨のハイレバ取引所で547倍のレバをかけたら(かけれませんが)、値動き0.18%で全損。27,000ドルのBTCなら49ドルの逆行で全損。米国のハイレバ経済は半端ないですね。
③ Deposits with F.R. Banks(FRB)|政府がFRBから借りたお金の残高を確認
https://fred.stlouisfed.org/series/WTREGEN
グラフがあるので分かりやすいですね。ちょっと拝見してみましょう。
え、パンツはいてない?「安心してください。まだ100あります」(祝安村さん英国進出!)
こちらも、ざっくり2週間以内には綺麗さっぱり残高が消え去っているかもしれません。
もちろんルールを作るのは米国政府。今から何が起こるかは分かりません。大切なのは、一次情報の数字を把握しておくこと。これで報道に惑わされず、自分で判断する基準ができます。
では債務上限の引き上げ合意ができなかった場合、ビットコインへの影響はどうなるのでしょうか?ここからは私見も交えて考えていきたいと思います。
債務限度額トラブルで株価45%下落ならビットコインはどうなる?
2023年に入ってからのビットコインには、ひとつ顕著な傾向があります。