2023年も第一四半期の終わりを迎えようとしています。ここから暗号通貨や米株などのリスク資産は、どのように推移をしていくのでしょうか?
足下3月では強弱の材料がぶつかり合う状況となっていますが、2024年まで先回りしてみると、ビットコインにはかなりの強気材料がそろい始めています。
今回の記事では2023年の第一四半期を振り返りつつ、なぜ2024年がビットコインにとって怒濤の買いになるのかを、米国の不動産状況から考えていきます。
足腰は強くても米株が売られれば崩れるビットコイン
3月3日ひな祭りの日、暗号通貨フレンドリーで知られたシルバーゲート・キャピタルの株価は崩落。2020年3月の新型コロナ相場で付けた底値を割り込み、最安値を更新しました。
”銀行株なんて関係ないぜ” と知らんぷりをしていたビットコインですが、同社の株価下落に遅れて追随するように下落。
今回の動きで改めて認識させられたのは、追証の存在でしょう。
SilverGate株の損失で追証を背負った参加者は、現金化できる資産を売却して返済する必要が出てきます。必然、流動性がある(売りたいときに売れる)ビットコインは「売り」。
世に浸透したことの証とはいえ、他が売られれば問答無用で売られてしまうことには、少しだけ切なさの残るビットコインでした。
中銀の現金プリンタON/OFFを握る黒幕は?
さてPCE個人消費指数のしつこい上昇を受け、米国はインフレ抑制でドルの流通量を減らしに動いています。
逆にロックダウンで出遅れた中国は、追いつけとばかりにPBOCが金融緩和へとシフト。
Citiのキング氏は2月14日の記事で、世界の流動性枯渇が目前に迫っているとの見解を出しました。
Global Liquidity Drain Is Coming for Markets, Citi’s King Says
https://finance.yahoo.com/news/global-liquidity-drain-coming-markets-171027569.html
米国の政府債務上限交渉が手詰まりのいま、米国中銀のバランスシート動向が読めなくなっていることをリスク要因として挙げています。
でも、結局のところ先のことは誰にも分からないのですが、、、
振り返ってみるなら、2022年10月以降のリスク資産買い戻し(ビットコインはFTX事件で除外)は、とある人物に起動されたように見えます。
それは、イエレン氏です。2022年10月12日に質疑応答に応える形で、同氏は以下のコメントを残しています。
”財務省のイエレン氏は、米国国債市場における「適切な流動性の喪失」を懸念している”
下のチャートは、イエレン氏が「流動性が足りないんちゃう?」と発言したあとのダウ30平均推移です。
↑ローソク=ダウ平均、オレンジ線=ビットコイン
どうもイエレン氏は、パウエル氏にキレが足りない場面で投入される、サッカーで言えば三苫さんのような役割を担っているような印象があります。
三苫さんにボールが渡ったら要注意なように、イエレン氏が流動性を口にしたら「ヤバ」と思った方が良いかもしれません。
何がすごいって、実際に米ドルの流動性が増加したのは、イエレンさんの発言から1ヶ月が過ぎた後だった点です。(つまり口先だけで市場を動かしてしまった・・・チャート内のハイライト部分)
Liquidity Yellen、”リクイディティ・イエレン” と英語ニュースで耳にしたら、要チェックですね。
で、現状の米ドル流動性はといえば、2022年10月12日にイエレン氏が投入された水準を割り込んでいます。
- 2022年10月12日 5,903 Billion USD
- 2023年 3月3日 5,772 Billion USD
やはり強弱がぶつかりあっていますね。
インサイダーの物件価格は前年比マイナス?
2月21日に書いた記事「崩落の前兆はインサイダーの財布に聞く」では、ワシントンDCの不動産価格が前年比でマイナスになると、株価のドン下げが追ってくる傾向を取り上げました。
データ次第でしょうが、不動産情報サイトのREDFINによれば、2023年1月の時点でDCの物件価格は前年比-14.7%と「崩落」しています。
※ 前回の記事ではZillowのデータを使いました
ZillowとREDFIN の違いは、後者が物件の場所・サイズ・間取りなどで指数を補正している点です。
一概には言えませんが、少なくとも米株には向かい風も強めに吹いている可能性があります。
ビットコインへの影響は?
さてワシントンDCの不動産価格の下落は、米株にはマイナス。ではビットコインに対してはどうなのでしょうか?
ここからは筆者の主観が入ってくるので、筋が通らないと思われたら遠慮無く読み飛ばしてください。