こんにちは。今回はメンバーの方からのご質問にお答えしたいと思います。
ご質問:
個人的にはトランプ大統領による仮想通貨戦略がビットコインに対して不穏な雰囲気を醸し出していますが、どのように捉えておりますでしょうか?
この感覚、すごくわかります。それでは、少し振り返りながら考えてみましょう。
市場が期待していたこととのギャップ
トランプ大統領が就任する前、多くの人々は「国家ビットコイン準備金(Strategic Bitcoin Reserve)」の構想や規制緩和による資金流入を期待していました。
しかし、実際には「$TRUMP」ミームコインの発行や、それらの多くを家族や関係者が保有しているという行動が目立ちました。
また、1月23日の大統領令で「暗号資産準備金」の創設を検討する作業部会が設立されましたが、この準備金にはビットコイン以外の暗号資産も含まれる可能性が指摘されています。
さらに、「米国発トークン優先」という思惑が先行し、XRP(リップル)やソラナ(SOL)が候補として注目される中で投機的な値動きが発生しました。
結果として、市場は次のような失望感を抱いたと言えるでしょう:
「トランプさんって、結局自分の金儲けにしか興味ないやん。まあ暗号通貨への敵対よりはマシやけど」
失望というよりもガス抜き
さてここからは筆者の捉え方を書いていってみたいと思います。個人的な主観も入りますので、その点は割り引いて読んでいただければと思います。
今回のトランプ大統領当選前後で、ビットコイン価格に強く影響を与えた日付が2つ挙げられます。
以下、チャート内に記してみました。
① 2024年11月15日
米国大統領選挙結果が確定した日。この日以降、先物市場の取組高(Open Interest, OI)が急増し、市場全体が活気づきました。
② 2024年12月18日
トランプ次期大統領が「国家ビットコイン準備金」の設立を検討していると報じられた日。
この報道に加え、FRBによる政策金利引き下げも相まって、ビットコイン価格は過去最高値108,000ドル超に達しました。
その後も、この価格をビットコインは超えられていません。
この推移と現状のビットコイン動向からは、いま市場で起きているのが「失望」というよりも「ガス抜き」と捉えた方が現実的かもしれないということです。
ここからは先物市場のデータも見ながら確認していきましょう。