概要
- Torは現在の日本では単独で安全なネットワーク環境を提供することができる
- VPN/Shadowsocksを併用することで特定の種類の攻撃者を出し抜くことができる
- 安全なVPNを選ぶポイントはISPの種類、実際のロケーション、政府への対応の実績である
難易度
- 特別な機会ではなく日常的にTorを利用する (★☆☆)
- Tails OSのウォレットとしての利用 (★★☆)
- 多重VPNとスクランブル化を利用する (★★★)
目次
- はじめに
- 匿名性・安全性・検閲耐性
- 各オーバーレイ・ネットワークの技術的特徴
- Tor
- (多段)VPN
- VPNの選びかた
- Shadowsocks
- その他
- ルーターのセキュリティ
- ISPのセキュリティ
- 安全な構成
- 暗号通貨との関連
- 結論
はじめに
この記事では、暗号通貨を利用する上でも注意すべきネットワークのセキュリティについて解説します。 通信経路上での妨害や情報収集、その他の攻撃を避けるためにネットワークのセキュリティには気を配る必要があります。 これは当然、インターネット上で主に通信している暗号通貨のセキュリティにもそのまま影響します。また匿名性はプライバシーを守るためにも重要です。 この記事では主にVPNなどのオーバーレイ・ネットワークを中心としたネットワークセキュリティの向上について書いています。
匿名性・安全性・検閲耐性
VPNを販売する会社はしばしばVPNを利用することで匿名性・安全性・検閲耐性が全て高まるかのように宣伝していますが、これは誤りです。 実際には匿名性・安全性・検閲耐性は別のものと考えて、現在利用しているネットワークがどの性質を持っていてどの性質を持っていないのかについて把握しておく必要があります。