ビットコイン(BTC)も10万ドルに向けて順調な推移を見せてくれていますね。

ここに来て、新たな強気相場が火を吹きそうな気配も出てきています。
今回の記事では、テザー(Tether)社と、その最新の戦略的動きである「21 Capital」の創設こそが、この強気相場の牽引をしていくキープレイヤーになるかもしれない、、、ということを書いてみたいと思います。
先に結論を書いてしまうと、以下のような図式になると筆者は考えています。
- 21 Capitalの実質支配 = テザー社
- テザー社 = 国レベルを超える存在に巨大化
- 過去ビットコイン乱高下の裏にはテザーあり
- 21 Capital は今後のビットコイン相場に強く影響を与える
それでは詳細を見ていきましょう!
「21 Capital」の実質支配 = テザー社
21 Capitalは、2025年4月に設立されたビットコイン投資に特化した新会社です。
テザー(Tether)社、ソフトバンク社、Bitfinex、Cantor Fitzgeraldなどが共同で支援し、約42,000 BTC(約36億ドル)を保有し、世界第3位のビットコイン保有企業として設立されるとのこと。
現在テザー社のビットコイン・コールドウォレットには、92,646 BTC が保管されています。

21 CapitalへのBTC移転数が42,000 BTC であることからも、実態としてはテザー社の保有するビットコインの一部を別会社に移転した、、、ということになります。
同社内でのテザー社の議決権割合は51.7%であり、実質的なコントロールもテザー社が握っていることになるわけですね。
テザー社一挙手一投足でビットコイン価格は乱高下する
テザー社が発行するステーブルコインUSDT(1ドルにペッグされる)は、2025年4月時点で時価総額約 1,480億ドルを超えています。
USDTは暗号資産取引の基軸通貨として広く使用されており、取引所の流動性を支える重要な存在になっています。
ですが考え方によれば、テザー社はこれまで、米国が多額の軍事費を投じて維持してきた世界最強通貨「米ドル」の通貨発行益を横取りしてきたわけです。
もちろん、米国としては米ドルを発行する通貨発行利益(シニョリッジ)を民間の一企業に握られるわけにはいきません。
対抗策として米国は、STABLE法とGENIUS法と呼ばれる米国ステーブルコイン規制を提案することとなりました。
25年2月14日に出たJPモルガンのレポートは、この規制が実現した場合にテザー社が保有するビットコインを売却し、米国債など流動性の高い資産へのシフトが必要になるんじゃない?という指摘でした。
Tether May Face Bitcoin Sell-Off to Meet US Stablecoin Rules: JPMorganhttps://www.ainvest.com/news/tether-face-bitcoin-sell-meet-stablecoin-rules-jpmorgan-2502/
ただ、、、
一口に「ビットコインを売却」と言っても、テザー社は25年2月時点でコールドウォレットに8万BTC以上を保有しています。
市場としては、「おいおい、テザーがビットコインの売却したら、エライことになるんちゃう?」と身構えざるを得ません。
だって北米のビットコイン現物ETFがすごいと話題ですが、2025年1月1日から記事のリリースされた2月14日までの1ヶ月半にETF経由で買われたBTC数は手元の推計で4.6万 BTC ほどしかありません。
つまりテザー保有の8万 BTCが放出されようものなら、北米ETFの資金流入3ヶ月分が丸ごと消えてしまうことになるのです。
これだけが原因でもないでしょうが、ビットコイン価格はこの報道後、97,000ドル台から値崩れし、4月7日には75,000ドルを割り込みます。
ところが4月22日、SECにCantor Equity Partners, Inc.がTwenty One Capitalとの合併に関する事業統合契約を締結したとの情報がファイルされビットコインは急騰します。

急騰の背景には、今回テザー社が21 Capitalに保有するビットコインを移転することで、「規制によるビットコイン売却懸念が回避された」という市場センチメントの改善があったのかもしれません。