2024年7月19日 7 min read

2100万枚までしか発行されないビットコイン。仮に発行上限を撤廃して「Tail Emission」を導入しても問題がないという主張の根拠は?

2100万枚までしか発行されないビットコイン。仮に発行上限を撤廃して「Tail Emission」を導入しても問題がないという主張の根拠は?
Photo by Patti Black / Unsplash

ビットコインはそれぞれのビットコインユーザーの主観で成り立っています。本稿でも何度か取り上げているように、ビットコイン最大の特徴に「自分のノードで、好きなルールで検証できる(気に入らなかったら自由にフォークできる)」というものがあるためです。

それでは、ビットコインユーザー100人に聞いた「ビットコインのアイデンティティ」はどんな感じになるでしょうか。実際に調査したわけではありませんが、おそらく次のような特徴をビットコインユーザーの共通認識として挙げてくれるでしょう:

・発行上限2100万枚を目指して、4年ごとに発行枚数が半減する

・Not Your Keys, Not Your Coins

・非中央集権性に価値を置いている

このようにビットコインの発行上限は非常に有名な特徴となっていますが、一般的な法定通貨にはない特徴のため比較的批判されやすい部分でもあります。特に現代の金融政策とは「通貨の量を調整することで経済活動を安定させる」という思想に他ならないため、通貨の量を調整しないビットコインは異端なのでしょう。

逆に、上限撤廃論者はビットコインの中でも異端で、かなりの少数派と言えるでしょう。しかし、先週の記事でも触れた通り、ひょっとすると上限を撤廃したほうがいい可能性はあると考えているビットコイナーは存在します。今日はその中でも代表的な開発者であるPeter Todd氏の主張を見ていきましょう。

・ビットコインはインフレしなくなったらデフレしてしまう?

・「発行量=失効量」というバランスを実現すれば流通量の安定が得られる

・どういう状況で受け入れられる思想なのか?

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