本日、ブロック#3654のコインが動かされたということで話題になっています。
これは、2009/2/9にマイニングされたコインで、ビットコインがスタートしてからわずかに37日後のコインです。このような非常に古いコインが動かされることは極めて稀で、ナカモトサトシがコインを動かしたのではないかと噂されています。
これは、サトシなのでしょうか?
思惑で相場も変動いています。結論からいうと、おそらくそうではないということです。
なぜサトシのコインが分かるのか? Extra nonceの仕掛け
まず、そもそもの話をします。サトシは100万ビットコインを保有していると言われていますが、そもそもなぜそれがわかるのでしょうか?サトシは掘ったブロックを公言しているわけではありません。後の分析家が、ある推測をもとにこの100万コインを特定したのです。
ビットコインの初期のソフトウェアv0.1には、マイニングの際のコインベーストランザクションを作成するごとに「extra nonce」というパラメーターを追加する仕様になっていました。採掘の準備をするたびに、順番に番号を振ったのです。
最初にサトシがジェネシスブロックを掘りました。このブロックをみるとextra nonce が1になります。
次のブロックナンバー2を掘りました。すると、extra nonceは2になってます。
そうしてずっと掘り続けるのですが、extra nonce は順番に増えていきます。
しばらくすると、サトシ以外の人がブロックを生成するようになります。最初にサトシからコインを送ってもらったのは、ハル・フィニーでしたよね。
ハル・フィニーも同様にマイニングをしていました。ハル・フィニーが仮にブロック1000付近から、マイニングに参戦したとしましょう。
すると、ブロックナンバーと、Extra nonceの値は以下のようになります
block extranonce
#1000 1000
#1001 1001
#1002 1002
#1003 1
#1004 1004
#1005 1005
#1006 1006
#1007 5
#1008 1008
#1009 1009
#1010 8
そうですね、ハルフィニーが参入したので、ハルのextra nonceのカウントが1から始まるブロックが出現してきています。これで、何方がどのブロックを掘ったのかが分かるということなのです。
これに目をつけたひとが、サトシのextra nonceのパターンを解析し、どのコインがサトシが掘ったものかを推測しました。其の結果が、100万ビットコインだということなわけです。