2025年11月7日 5 min read

創業者が懲役5年を求刑されているSamourai Walletとは?仕組みを解説

創業者が懲役5年を求刑されているSamourai Walletとは?仕組みを解説
Photo by Karthik B K / Unsplash
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創業者が懲役5年を求刑されたSamourai Walletの仕組みをCoinjoinやP2P型の構造から解説し、プライバシーツール規制の是非を考察します。

ここ数年のオンチェーンプライバシーツールに対する法的措置でTornado Cashの創業者が逮捕されたり、Wasabi WalletがCoinjoin機能を廃止しました。その一環として逮捕・起訴されたSamourai Walletの創業者たちはアメリカで懲役5年を求刑されています。

米国検察当局、ミキシングサービスSamourai Wallet創業者に懲役5年を求刑 | ビットバンクプラス
米国検察当局は、暗号資産ミキシングサービスを運営したとして、Samourai Wallet創業者Keonne RodriguezとWilliam Lonergan Hillにそれぞれ懲役5年を求刑した。検察は、2015年から2024年にかけて同ウォレットを通じ少なくとも2億3700万ドルの犯罪収益がマネーロンダリングされたと主張している。Rodriguezは11月6日、Hillは11月7日に判決予定。両名は無許可送金事業運営の罪を認めており、連邦量刑指針上は14〜17年相当だが、法定上限の5年が適用される見込み。

個人的には、Samourai WalletはWasabi Walletとの間でファン同士が常に口論している印象がありました。ハードウェアウォレット業界にもいえますが、よく言えばビットコイン界隈では互いに批判し合うことで切磋琢磨する風土があります。(悪く言えば、誤った内容の批判も見受けられるので、こういった論争はあまりあてにしないほうがいいかもしれません。)

その中でよく目にしたのは、Samourai Walletはユーザーのウォレットのxpub(拡張公開鍵)をサーバーに送る仕組みになっているという、目を見張る批判です。プライバシーツールなのに、ウォレットの全貌をサーバーに送るとは何事でしょうか?調べてみると、この批判にも真っ当な側面と過剰な部分がありました。

今日はSamourai Walletについてどういう仕組みだったのか、プライバシー面での長所や欠陥がなんだったのかについてわかりやすく解説し、さらにSamourai Walletのようなオンチェーンプライバシーツールの運営が違法な扱いを受けていることの正当性に疑問を提示します。

・ユーザー同士で集まってUTXOを混ぜることを繰り返すWhirlpoolの仕組み

・ユーザーの大半はセルフホストしていたが、それ以外のユーザーは確かにxpubをサーバーに送ってウォレットの内容を問い合わせていた

・カストディではなく、P2Pの部分も多く、さらには短期的なマネロンには向かない仕組みをマネロンや無許可送金事業と呼ぶのは無理筋ではないか

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