2022年4月13日 5 min read

貨幣創造シミュレーション(1)物々交換市場

今回からのシリーズは、貨幣のはじまりについてです。とはいっても歴史のテキストのように追っても面白くないかと思いまして、人間集団からなる社会を仮想的に考えて、アイテムを物々交換させていくことを考えます。そして、自然と貨幣のような役割ができていく過程をシミュレーションして、神の目視点で考察したいと考えております。

目標としては、次のような感じです。何人かの人間で構成されている社会を考えて、人々が様々なアイテムを生産したり消費したりしている状況を設定します。アイテム毎に生産のしやすさや、保存のしやすさなどの属性を設定し、その中で人々が合理的な決定をしていくなかで貨幣がでてくる、というのが理想です。どのような社会状況であれば貨幣が必要とされるのかということについてシミュレーションを通じて学べるかもしれないと考えています。試行錯誤しながら作り上げていくので、うまくできるかわかりませんが、少しずつ進めていきます。神様も大変です。

まず1回目コラムとしては、2つのアイテムを生産・消費する社会を考え、2つの物々交換市場を創ります。いずれは3アイテム以上へと拡張したいのですが、今回は2つの品物に限定しましょう。

この社会では、アイテムAとアイテムBが存在しています。神(筆者)が創造しました。これら2種類のアイテムを全ての人が生産しています。全ての人はAとBを生産していますが、生産量は人によって違うとしましょう。例えば、海の魚を捕まえると考えると人によって能力が違うので、同じ品物でも生産量(この場合は漁獲量?)には差があるのは自然な仮定だと思います。

全ての人はAとBを消費することもしています。あらかじめ1日の必要な消費量が決まっていて、それを満たすことができれば、満足するということにしましょうか。かなり単純化していますが、これが需要を生み出すことになります。

それで余ったものはその日のうちにされてしまいます。保存可能期間1日といった感じです。これもいずれは長い期間保存できるようにしたいのですが、今回は簡単にするため、1日で全て廃棄されるアイテムという仮定を入れます。

例として次のような人がいたとしましょう。

A 生産7、消費5、余剰2

B 生産7、消費10、不足3

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